2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》

2017 Toughroad SLR 2 評価
2016年モデルの[Toughroad SLR 1]を購入してからというもの、グラベルバイクという方向性と性能が個人的にマッチしてしまいました。そのため、以前はよく乗っていたMTBやシクロクロスに乗る機会がめっきり減ってしまいました。

Toughroad(タフロード)は、バイクに荷物を積載して荒れた砂利道を走行できる前提で開発されたアドベンチャーバイクです。



Toughroad SLR 2の購入

私がToughroadを選んだ理由は、MTBような強靭なフレームやサスは必要ないけど、段差を気にせずハードに走れるクロスバイクが欲しかったからです。
走るフィールドは、サイクリングが目的なので舗装路がメインなのですが、旅先で気になる悪路やフラットなシングルトラックでもグイグイ入って行くためでもあります。ついでに荷物も載せれたらサイクリングの幅が広がって、もっと楽しい!
Toughroadは、そんなサイクリングが多いMy自転車生活にドンピシャなバイクでした。

私の所有する[2016モデル Toughroad SLR 1]はキャリアが標準装備されたモデルで、純正か社外品のパニアケース(またはパッキングケース)を購入すれば、キャンプ道具や衣類食料品を積載してただちに旅立てる仕様。
基本アドベンチャーバイクなので、スポーツ性能を期待せずに購入。ところが、予想外にハンドリングがよくキビキビ走るために、つい軽量化の誘惑に負けてパーツ換装してしまいスポーツバイクへと改良…ちょうど29er(29インチMTB)バイクも気になっていたので思わぬお得な気分に♪
2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
とりあえず〔2016 Toughroad SLR 1のレビュー〕も掲載しておりますのでハンドリングなど気になる方はご参考にどうぞ。

SLR 1が軽量29erスポーツバイクに変貌してしまい、重量増のキャリアやパニアケースを載せる気にならなくなりました。なので、改めて本来のアドベンチャーバイクとして活用するため[SLR 2]を購入しました。ちなみに2017年モデルでは[SLR 1]の国内発売はありません(2018年モデルも日本販売しません)。


Toughroad SLR 2詳細

フレーム設計の更新は、だいたい2年以上のサイクルで変更されることが多いのです。たくさんのラインナップをそろえるバイクブランドなら開発費がかさむため尚更です。
Toughroadは2016年から新シリーズとしてデビューしていますが、GIANT(ジャイアント)は、このバイクのフレーム設計を2017年モデルで新たに改良しています(2018モデルはほぼ同一)。
2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
[SLR 2]のパーツ構成は、2016モデルとくらべて小さい変更のみで、バイクのイメージを左右する変更はおこなわれていません。

バイクの重量

Toughroadシリーズでは[SLR 1]のみキャリアを標準装備していますが、それ以外のモデルはキャリアを装備していません。なお、GIANT純正キャリアは別売でも販売されており重量は前後セットなら〈1kg程度〉。
2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
さて、私が乗っている[SLR 2(サイズXS)]の重量は、ペダルレスで〈約11.5 kg〉と、ジャイアントが公表している数値とほぼいっしょ。10万円を切るアドベンチャーバイクの重量にしては十分に軽い。
もっと軽量化したいのであれば、タイヤ・チューブ、サドル、ハンドルなどから交換していくのが効果的。最終的にドライブ系(変速機・ギア)を上級グレードへ変更すれば、かなり軽量化できます。

Toughroadの軽量化については、また別の機会に書いていきます。お楽しみに!


ドライブトレイン

ドライブ系の変速コンポーネントは全てShimano(シマノ)製。変速用のディレイラー、シフターには[SHIMANO ACERA(3×9段)]を採用。
2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
フロントドライブのギアクランクはトリプルチェーンリングの[SHIMANO FC-M351 22/32/44T]を採用。29インチホイールにワイドタイヤを履かせたバイクにしてはアウターチェーンリングが大きいが、センターとインナーギアには小さい歯数が用意されるため問題はない。
2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
リアドライブ系のディレイラーは9段変速用[ACERA]にカセットコグ(ギア)[SHIMANO HG300 9S 11-34T]とワイドレンジな歯数。
前後の変速ギアは、26インチホイールMTBのドライブ系と同じ構成で懐かしさを感じる。

リアアクスルは、クロスバイクや26インチホイールMTBなどで標準的に採用するQR(クイックリリース) で、アクスル幅は〈OLD 135mm〉。また、チェーンステイには、フレームデザインと合わせたチェーンガードが付く。

変速システムの[ACERA]は、MTB入門向けに開発された廉価クラスだが、さすがはShimano製だけあって外れた作動感はない。
2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
変速を操作する前後シフターのシフティングは非常に軽く、幅広いユーザーが楽に変速できる。ただし、変速位置を決めるインデックスの幅が少し曖昧なため、大きいギアに入れるときは、手前の変速レバーを奥までシッカリ押し込んでおかないと、変速がうまく完了しないことがあります。
小さいギアへ変速するには前側のレバーを引き(リリース)ますが、こちらは廉価グレードのシフターにかかわらず非常に素早く正確に変速を完了できます。

ただ、変速レバー機構には、2ウェイリリースのラピッドファイアは採用されていないため、リリース操作が限定される。上級グレードモデルの操作に慣れているユーザーは鬱陶しいかもしれない。
とはいえ、はじめて多段変速を体験するユーザーには十分な変速性能であり、このグレードのドライブ系を使いこなして上級グレードへアップデートすれば、より質の高いパーツを装備した高額スポーツ自転車の価値を知ることになるでしょう。


ホイール

2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
ホイールセットは、リムが[GIANT SX-2 32H]とGIANTのオリジナルリム。リムハイトは〈約23ミリ〉と少しだけ高めでディープリム形状。リム断面の情報は公開されていませんが、アドベンチャーバイクToughroad専用の設計。ハブはコストパフォーマンスにすぐれる[FORMULA Disc 32H]でスポーク共にシッカリしている。

タイヤ

2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
GIANTが開発した自社製タイヤ[GIANT SYCAMORE S 700x50C]を採用。低いノブ(ブロック)が集まったパターンのセミスリックタイヤで、密集した菱形ノブの効果なのか、振動吸収性は高い。
走行感としてはMTB用のブロックタイヤより走りは軽いが、レーシングXC用タイヤに比べると転がり抵抗はある。ノブのおかげでフラットなオフロードでの走行も良好。タウンユースからグラベル(砂利道)、オフロードと幅広く走れる万能タイヤ。推奨空気圧は〈2.1~4.2 ber〉。

タイヤの重量は〈730g〉でワイヤビートになっている。チューブは〈190g〉と両方とも軽量級ではない。

ブレーキ

2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
ブレーキシステムは油圧ブレーキで、ブレーキレバーは[SHIMANO M315]、ブレーキキャリパー[SHIMANO M315]で、ブレーキローターは160mmを採用。
2016年モデルは[SHIMANO M395]であったが、どのような差があるのか気になるところ。また、ブレーキローターも別物になっておりスリット(ドリルド)パターンが変更になっています。


ハンドル / ステム

2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
ハンドルバーは少しライザーのかかった[GIANT CONNECT XC RISER 31.8 640mm]。29er MTBに多く採用される幅広いハンドル幅(700〜740ミリほど)よりは短く、クロスバイク用(580ミリ前後)と比べると長い。
大柄な29erホイールとフレームを軽快にコントロールするのにも設定される幅はマッチしている。ハンドルの曲げ量を表すスイープ角は、上と後ろ方向に大きく曲げがあるため、トップチューブが長いToughroadのフレームでもハンドルグリップへ自然に手が届きます。

ステム長とライズ角は〈70ミリ・8度ほど〉。上半身を低い姿勢にするため、ステムを逆さまに取付けて、高さも一番下の部分でセットしています。

サドル / シートポスト

2017 Toughroad SLR 2 レビュー《1:詳細・重量》
サドルは[GIANT CONTACT UPRIGHT]というGIANT自社製。サドル表面の形状はフラットに近いが、サドル上面の面積は狭め。実測では、長さと幅は〈約260ミリ、135ミリ〉くらいと横幅はせまく、大柄なユーザーのフィット感がどうなのか気になる。
サドルの両サイドにはケブラー素材で仕上げられており、摩擦による表面の耐久性を上げています。サドルの厚みはそこそこありますが、見た目はよりクッション性は低く適度に硬い。

形状としては両サイドが落ちた感じになっており個人的に好みではなく、まず最初に部品交換するのはサドルです。

シートポストはGIANT独自規格D-FUSE。ポスト断面形状がカマボコ型になっており、後方にしならせることでショックを緩和させます。特殊形状になるため通常の円柱ポストへ交換しても取付で来ません。
[SLR 2]にはアルミ素材のポストですが、そこそこ軽量で振動吸収もされている。また、シートポストの前部分にはミリ単位の数値がプリントされているため、細かい調整がしやすい。

軽量で振動吸収性にすぐれるカーボン製のシートポストに交換したい場合は、GIANTから別売されているので取り扱い店で注文してください。

ここまで[2017 Toughroad SLR 2]の仕様やパーツ構成を紹介しました。さて、次回は〔Toughroad SLR 2 レビュー《2:実走》〕になります。



タフロード長期レビュー

スポーツ自転車は、買ったあとも意外と手を加えることがあります。基本は、細かく身体に合わせたり(フィッティング)。さらに、自分の求める走り方に部品を交換したり、より軽快に走行できるよう軽量化したりと、乗り手に好みに合わせたアップデートができます。

タフロードは軽量化すればクロスバイクのように高速に走れ、グリップの良い太いタイヤをはかせれば悪路も走れ、荷物を積載すればロングツーリングも可能です。また、ドライブトレイン(変速機・ギア)を変更すれば脚力と走行フィールドに最適化した走行も可能です。

そのような多彩な方向性に対応できることを Toughroad で実施して『GIANT Toughroad 長期レポート』として長期レビューします。

GIANT Toughroad 長期レポート