中国 武漢市を発生源とする新型コロナウイルスは、現在も感染域を広げており、すでに感染患者が蔓延している中国を含めアジア地域にもウイルス感染が拡散中。今後は日本での新型肺炎の流行も懸念されています。
なお、WHO(世界保健機関)は公式に今回のコロナウイルスによる疾患を『COVID-19』と呼称すると発表。
新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルスは、2019年〜2020年にかけて流行を続けている伝染病で、隣国である中国(China = 中華人民共和国)武漢市で初の新型肺炎患者が発生。
コロナウイルスはどのようなウイルス?
新型コロナウイルスは、発熱や上気道症状を引き起こすウイルスで、人に感染するものは6種類あると分かっています。そのうちの2つは、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの、重症化傾向のある疾患の原因ウイルスが含まれる。残り4種類のウイルスは、一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)が占めています。
新型コロナウイルスの人からうつるか?
新型コロナウイルス肺炎のヒトからヒトへの感染は、中国 武漢で発生した当初は確認されていませんでしたが、現在では人から人への感染も起こることが分かっています。
新型コロナウイルスは動物からうつるか?
新型コロナウイルスはペットからの感染はありません。ただし、動物には他の感染症があるため、普段から動物に接触したあとは、手洗いなど十分にしましょう。
二次感染のリスクについて
すでにヒトからヒトへ感染した例が報告されており、感染のしやすさはインフルエンザと同等であるなど、さまざまな研究が世界で報告されていますが、現時点では情報がまとまっていません。
潜伏期間について
WHO(世界保健機関)の情報では、現時点の潜伏期間は1-12.5日(多くは5-6日)。また、他のコロナウイルス情報では、感染者は14日間の健康状態の観察が推奨されている。
無症状病原体保持者から感染について
無症状病原体保持者からの感染を示唆する報告もみられますが、現状では、まだ確実なことはわかっていません。通常、肺炎などを起こすウイルス感染症の場合、症状がもっとも強い時期に他者へ感染させる可能性がもっとも高いといわれる。
新型コロナウイルスの感染状況
現時点での感染する要因として、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2種類があがっています。
- (1)飛沫感染
- 感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。
※主な感染場所:学校や劇場、満員電車などの人が多く集まる場所 - (2)接触感染
- 感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスが付きます。他者がその物を触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染します。
※主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど
エアロゾル感染について
上海市民政局が「エアロゾル感染」の可能性があると発表しましたが、これは「飛沫が空気中で混ざり合ってエアロゾルを形成し、これを吸引して感染する」というもので、空気感染ではなく、飛沫感染に相当すると考えられます。
コロナ感染者との濃厚接触とは?
必要な感染予防策なしで手で触れること、または対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、接触した方などを濃厚接触者としています。
新型肺炎の予防方法
現在、新型コロナウイルスに対するワクチンや特効薬などが無いため、まずは新型肺炎にかからない予防が必要です。なお、ワクチンは米・イノヴィオ社などが開発中です。
現在、マスクの在庫がどの販売店でも売り切れ続出で購入しにくい状況ですが、コロナウイルスのような超極小な大きさのウイルスを防止するためには特殊なマスクが必要となります。
- コロナウイルス予防・対策ポイント
- 予防には、十分なうがいが大事
- 石けんやアルコール消毒液などによる手洗い
- コロナウイルスは軟膜からも感染するため目の付近を触らない。
- コロナウイルス予防には多くの市販マスクでは予防できない
- ウイルス予防専用マスクは N95 などの医療従事者向けマスクしか予防できない
- マスクは予防ではなく患者が感染を広げないためのエチケット
また、持病がある方などは、上記に加えて、公共交通機関や人混みの多い場所を避けるなど、より一層注意が必要です。
新型コロナ肺炎の症状
中国の研究者が報告〈2020年1月21日判明分〉した主症状は、40℃程度の高熱、乾いた咳、息切れなどである。また、全身倦怠感、吐き気、筋肉痛等を催すと報告されている。症状例のカッコ内のパーセントは、新型肺炎患者からの症状の割合。
- 新型肺炎の症状例
- 40℃程度の高熱(98%)
- 乾いた咳(76%)
- 息切れ(55%)
- 全身倦怠感
- 吐き気
- 筋肉痛
感染が疑われる時の対処方法
中国 湖北省・浙江省への渡航歴や、感染が明らかな方との接触歴などがあり、すでに発熱や咳などの症状がある場合は、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」への問い合わせになります。
どのように診断しますか?
診断方法としては、咽頭ぬぐい液(インフルエンザの検査と同じように綿棒でのどをぬぐってとった液体)を用いて、核酸増幅法(PCR法など)でウイルス遺伝子の有無を確認します。実際に検査を検討する場合は、疑似症として保健所に届け出後、地方衛生研究所または国立感染症研究所で検査することになります。
問い合わせは近くの保健所になります。
治療方法はありますか?
現時点で、このウイルスに特に有効な抗ウイルス薬などはなく、対症療法で対処することになります。
詳しくは、国立感染症研究所のHP「新型コロナウイルス(2019-nCoV)」に掲載の関連するガイダンスを参照してください。
感染が疑われる時の相談先
2020年2月上旬までは中国(China)へ渡航歴がある人が対象でしたが、今後は日本国内でも感染患者が増える傾向にあります。新型肺炎の症状に近いヒトは、いきなり通常の医療機関に来院せず、電話による問い合わせを推奨します。
また、中国渡航歴の無くても、咳や発熱等の症状がある方で、特に高齢者の方や基礎疾患をお持ちの方で、症状に不安がある際には「帰国者・接触者相談センター」での相談を受け付けています。なお、新型コロナウイルス感染症に関する一般的な相談を行いたい方は都道府県等が設置している電話相談窓口へご相談下さい。