[XF18mmF2 R レビュー]FUJIFILM X-E3に合うレンズ

フジノンレンズ[XF18mmF2 R]

ミラーレスカメラのXシリーズでは、ボディが最小サイズとなった『X-E3』。小さいカメラボディには小型軽量のレンズを装着してスナップ写真を楽しみたいものです。
冨士フイルム X-E3
冨士フイルム製のレンズラインナップから、小型軽量のレンズと言えば、Xシリーズのパンケーキレンズとして発売されている[XF18mmF2 R]と[XF27mmF2.8]です。
今回は、そこそこ被写体に近づける広角レンズとしてスナップ撮影にも活躍している[XF18mmF2 R]の撮影画像を紹介していきます。


XF18mmF2 Rの特徴

FUJIFILM X-E3に合うレンズ[XF18mmF2 R]
〈2012年2月18日〉に発売された[XF18mmF2 R]のサイズは〈64.5 x 40.6 mm〉で、重量は〈116 g〉と、絞り解放が〈F2〉のレンズとしては薄型軽量です。

このレンズの画角は、35ミリフィルム(フルサイズセンサー)換算で『約27ミリ』と広い景色や建物の撮影に適しています。また、絞り解放を利用して被写体の後方をボカしたり、暗い室内撮影でも使いやすい特徴をもちます。そのほか、最短撮影距離〈0.18 m〉を活かした近距離撮影も得意。料理の撮影などにも活躍します。

XF18mmF2 Rの撮影画像

デジカメのAPS-Cイメージセンサーは、各社若干のサイズ差ががあるため、焦点距離に微妙な違いがありますが、[XF18mmF2 R]は、約27ミリ(これ以降の焦点距離は35mmフィルム換算で表記)。

風景撮影

FUJIFILM X-E3に合うレンズ[XF18mmF2 R]
27ミリは意外と広範囲の景色を撮影することができるので、大規模な構造物の撮影も楽にこなします。なので、サイクリング途中に出会った大きめの樹木でも、撮影位置を大きく後退する必要もなくフレームにおさめることができます。

また、焦点距離28~35ミリあたりは、その場の景色を撮影するに適したレンズ。サイクリング中に入港してくる巡視艇(?)を見付けて、自転車とツーショットといったシーンでも、素早くフレーミングできてシャッターチャンスを逃しません。
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周辺光量

FUJIFILM X-E3に合うレンズ[XF18mmF2 R]
[XF18mmF2 R]は、解放絞り値〈F2〉と明るいのに薄型軽量の設計の影響か、画面の四隅が暗くなる『周辺光量落ち』があります。この撮影画像では絞り値〈F8〉ですが光量落ちが確認できます。もちろん、これがあるから「ダメなレンズ」にはなりません。

新しい[XF18mmF2 R markII]開発の噂がありますが、この辺りの表現とレンズ構成を、どのように変えてくるか楽しみです。私は新型も買いますが、この初代モデルも好きなので残して併用します。

近接撮影

FUJIFILM X-E3に合うレンズ[XF18mmF2 R]
多くの広角レンズは、意外と近接撮影を得意とすることが多いです。[XF18mmF2 R]の最短撮影距離は〈0.18 m〉、最大撮影倍率〈0.14 倍〉であるため、被写体に近付いて、そこそこ大きく撮影することができます。

最近のコンパクトデジカメやスマートフォンではマクロ撮影が当たり前なので近接撮影は珍しくありませんが、レンズとイメージセンサーが大きく、高感度に強いXシリーズの画像エンジンなら、照明の落とされた雰囲気のお店での撮影も高画質で可能。
撮影したい料理のピント合焦範囲を考えながら絞り値を決め、気に入ったボケ量やピント幅を決めます。フジノンレンズのほとんどが絞り値を『絞りリング』という物理的な操作でコントロールできます。絞り値の間隔は『1段(1EV)』を三分割しているため、ピント幅の細かい表現が可能です。

広角レンズの特徴の一つにボケ量が少ないことが多いですが、明るさがF2以上の大きい口径レンズであれば、被写体に近づいて絞りを解放にすれば背景をボカすことが可能です。
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動体撮影

FUJIFILM X-E3に合うレンズ[XF18mmF2 R]
[XF18mmF2 R]は優れたスナップレンズですが、至近距離をひんぱんに動く動物や子供といった、素早く動く被写体へのオートフォーカスが得意ではありません。またレンズ駆動の作動音も聞こえます。

これは、ピントを合わせるためにレンズ群が大きく前後に動いてピントを合わせる『レンズ全群繰り出し設計』になっているため、素早いピント合わせは得意ではありません。しかし、これはピントが合う距離によってピント面シャープさやボケが崩れさせないよう、画質を優先した設計になっています。

レンズ駆動音は、大きく重いガラスレンズを動かすためトルクが大きく・起動性能が良いDCコアレスモーターを使用しているからです。レンズ駆動モーターについては、すでに新型レンズにはリニアモーター採用して、高速AF・静音に対応しています。[XF18mmF2 R markII]では、この辺りの機構採用は間違いないでしょう。

私が旧型の[X-E1]を利用して動物などの動体撮影をするときは、マニュアルフォーカスでピントを確認しながら撮るか、目測撮影は置きピンしたりしています。絞り値は〈F5.6〜8〉とピント幅をとっています。
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まとめ

富士フィルムは、カメラやレンズのファームウェアのアップデートを比較的多くしているため、2012年の購入当時に比べると、AFの速度とピントの信頼性は上がりました。

それに、新型の[X-E3]では、オートフォーカスの性能が引き上げられているうえに、多点測距点を活かした撮影ができるため[XF18mmF2 R]の動体撮影もかなり良くなっています。小型軽量のX-E3と薄型軽量のXF18mmF2 Rで気軽なスナップ撮影を満喫してください。

XF18mmF2 R・仕様

型番 XF18mmF2 R
レンズ構成 7群8枚(非球面レンズ2枚)
焦点距離 f=18mm(35mm判換算:27mm相当)
画角 76.5°
最大口径比(開放絞り) F2.0
最小絞り F16
絞り形式
羽根枚数
7枚(円形絞り)
ステップ段差
1/3ステップ(全19段)

撮影距離範囲
標準
0.8m~∞
マクロ
18cm~2.0m

最大撮影倍率 0.14倍
外形寸法:最大径×長さ(約)
※先端よりマウント基準面まで
ø64.5mm×33.7mm
質量(約)
※レンズキャップ・フード含まず
116g
フィルターサイズ ø52mm
略称 F XF18MMF2 R