硫黄山 噴火関連情報[霧島連山 えびの高原]

硫黄山 噴火状況・通行止・規制情報[霧島連山 えびの高原]

気象庁からの情報では〈2018年4月19日 15:39 ごろ〉、宮崎県と鹿児島県の県境にある霧島連山のえびの高原の『硫黄山』が噴火しました。硫黄山の噴火は〈1768年〉以来で、じつに250年ぶりの噴火です。
噴火時は噴煙がで約300メートルほど上がり、火口周辺で大きい噴石の飛散も確認されています。

気象庁は、噴火警戒レベルを【2(火口周辺規制)】から【3(入山規制)】に引き上げ、危険地域の住民に避難勧告をして現在情報を収集しています。

『硫黄山(いおうやま)』は宮崎県えびの市にある標高〈1317 m〉の山で、そばには[県道1号線]があり間近で噴火口周辺を散策できるようになっています。
過去の噴火は、有史で確認できている噴火は2回〈1300年 〜 1500年頃〉と〈1768年〉に起こっており、いずれの噴火で新たな地形が形成されるほどの火山活動が起こっています。



硫黄山 噴火関連情報

霧島連山 えびの高原にある『硫黄山』の噴火に関する情報を時系列順に掲載しています。

えびの高原の硫黄山は、ここ数年のあいだ火山活動の高まりを示す兆候が続いていました。
えびの高原の硫黄山では、約3年前の2015年に13年ぶりに噴気が出ているのを確認。去年4月以降は噴気の量が増加し、5月には東京大学地震研究所が行った現地調査で噴気が出ている場所の内部でわずかに土砂が吹き出した痕跡が確認されたため、気象庁は噴火警戒レベルを【2】に引き上げ。

去年10月には噴火警戒レベル【1】に引き下げましたが、2018年2月19日から20日にかけて硫黄山周辺で火山性地震が増加。それと同時に地下の火山ガスなどの動きを示す低周波地震が、地表の浅いところを震源に発生。さらに、活発な噴気活動や地熱が異常に高い領域が見られ、山の西のふもとで出るわき水には、去年11月以降、高温の火山ガスに由来する成分も顕著に増加していました。

硫黄山の噴火を確認

〈更新:4月19日 16:01 現在〉
〈2018年4月19日 15:39 ごろ〉宮崎県と鹿児島県の県境にある霧島連山のえびの高原の硫黄山で噴火が発生。
えびの市では、噴火した硫黄山から約1キロ離れたところにある登山者向け施設『えびのエコミュージアムセンター』と連絡を取って現地状況を確認中。

政府 『情報連絡室』を設置

〈更新:4月19日 16:11 現在〉
政府は〈19日 15時43分〉総理大臣官邸の危機管理センターに『情報連絡室』を設置。気象庁など関係省庁や地元自治体と連絡をとりながら情報収集と警戒にあたっています。

気象庁 記者会見

〈更新:4月19日 16:16 現在〉
硫黄山の噴火発生について、気象庁は、17時から記者会見を開き、齋藤誠火山課長が今後の噴火活動の警戒点などについて説明することにしています。

九州自動車道の通行規制状況

〈更新:4月19日 16:20 現在〉
硫黄山噴火について『西日本高速道路』は、九州自動車道は16時現在、噴火による影響はなく通常どおり通行可能です。

硫黄山噴火 鹿児島空港 平常通り

〈更新:4月19日 16:29 現在〉
鹿児島空港事務所によりますと、16時現在、鹿児島空港を発着する便について噴火による影響は出ていません。

JR肥薩線と吉都線 平常運行

〈更新:4月19日 16:31 現在〉
JR九州によりますと、16時現在、硫黄山の西側をとおる『JR 肥薩線』と北側をとおる『JR 吉都線』への影響はなく、列車は平常運転しています。

えびの高原の観光客へ下山指示

〈更新:4月19日 16:34 現在〉
硫黄山から約1キロ離れた環境省の登山者向け施設『えびのエコミュージアムセンター』からの情報では、えびの高原を訪れている観光客へ、職員らが下山を呼びかけています。

新燃岳の噴火で霧島連山も活発化

〈更新:4月19日 16:47 現在〉
硫黄山の噴火について火山噴火予知連絡会では、新燃岳が3月はじめに噴火し、その中で霧島連山の活動も活発化し、硫黄山の噴火につながったのではないかと見ています。また、硫黄山の地下にはマグマだまりがあり、今後マグマが上昇しないかなど地殻変動の観測データなどを注視する必要があります。

噴火後の硫黄山の噴火警戒レベルは【2】から【3】へ上げられ、噴火口から2キロ以内の立入り規制がひかれました。

今回の噴火活動を映像で確認したところ、噴煙は白っぽいものが中心なので発生したのは水蒸気噴火と見られる。さらなる活発な火山活動の兆候として「噴煙の色が黒っぽくならないか」注視していくようです。

九州自動車道の通行規制状況

〈更新:4月19日 16:50 現在〉
鹿児島県は噴火に対する警戒のため、県道『小林えびの高原牧園線』のうち、宮崎との県境から鹿児島県霧島市牧園町高千穂にある新床展望台前までのおよそ2 kmを通行止めにしました。

霧島連山全体で活動高まる

〈更新:4月19日 21:43 現在〉
硫黄山の噴火後の状況を見ると、これまで噴気が出ていなかった場所から噴煙が勢いよく出ていることを確認。噴煙の色は白く、マグマから伝わった熱で地下水が熱せられて起きる『水蒸気噴火』と考えられる。

先月噴火した霧島連山の新燃岳との関連性について火山噴火予知連絡会の見解は以下の通り。

新燃岳につながるマグマだまりは硫黄山の近くにあると見られている。新燃岳では、溶岩が火口を塞いだために地下にガスが蓄積し、今度は硫黄山のほうに熱が伝わって圧力が高まり、今回の水蒸気噴火につながった可能性がある。霧島連山全体で火山活動が高まっているため、今後、硫黄山でもマグマ噴火に移行しないか地殻変動などのデータを注視する必要がある。


硫黄山 噴石・火砕流に警戒

〈更新:4月20日 10:13 現在〉
硫黄山では、噴火から明けた20日でも小規模な噴火が続いています。

噴火口からは白い噴煙が上がり、火口の中では熱い泥水が噴き上げています。20日も複数の場所から白い噴煙が最高で300メートルまで上あがりました。また、熱水が土砂とともに断続的に噴き上がっており、泥水が火口の外に流れ出ている様子も確認されています。このほか、地殻変動の観測では、硫黄山付近が隆起する傾向が続いている情報が上がっています。

現象・観測などの情報から判断すると、硫黄山では活発な活動がつづいており、今後予想される状況としては噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒する必要があるようです。

マグマ噴火の段階ではない

〈更新:4月20日 11:43 現在〉
火山噴火予知連絡会は、20日午前、飛行機で上空から硫黄山の様子を確認しました。

その時の火口周辺状況は、噴気とともに土砂の噴出を繰り返しており、低いところへ熱い泥水が流れ出していた。地下水が熱せられ表面にあふれ出ている状態だったようです。

硫黄山周辺ではここ数年、地熱活動の活発な状態が続いていたため、今回の水蒸気噴火はこの中でのひとつの目立った現象になりました。
心配なのは今後の活動で、より大きな噴火が起こるのか?といったところですが、現地状況と観測情報を確認する限り、「今のところ大きなマグマ噴火が起こる段階ではない」とのコメントが出ています。

マグマ噴火の予兆としては、マグマが地表に近づくときは火山性地震が増加して、噴煙も黒っぽくなる特徴があります。

硫黄山噴火 想定火口の外側でも隆起

〈更新:4月20日 20:11 現在〉
硫黄山の噴火について国土地理院の解析から得られた新しい情報が発表されました。

国土地理院が管理する地球観測衛星『だいち2号』が、噴火後の20日と先月に観測したデータをもとに、硫黄山の火山活動の解析を行いました。その結果、今回噴火が起きた場所の周辺の地盤が隆起したことを確認。隆起した数値は最大でおよそ〈15 cm〉に達していたということです。
この隆起現象については、この1週間程度で起きた変化とみており、ここ数年では最も急激な変化です。

また気象庁からの情報では、隆起が確認された県道1号線の近くでは20日の夕方以降、新たに白い噴煙が上がっている様子が確認されています。

これらの現象について国土地理院では「地下の浅い部分で熱水が上昇したことで地面を持ち上げている現象。特に火口の西側に関しては、今後も注意深く監視していく必要がある」との見解です。

立入り規制 長期化のおそれ

〈更新:04月23日 13時53分 現在〉
気象庁からの情報によると、宮崎県と鹿児島県霧島市を結ぶ『えびの高原 県道1号線』の脇からも噴気が立ち上るようになった事を確認しました。

23日の硫黄山周辺では、噴気の勢いと量はますます増えており、南側斜面の複数の火孔から立ち上る噴気と合わせ、高原全体に白いガスが立ち込めるようになりました。

数日前のヘリコプターを利用した上空からの観測では、県道そばの地熱温度の上昇が観測されており、噴気の噴出とともに、熱い泥水が流れ出した痕跡も確認しています。
噴火口周辺の蒸気[硫黄山 えびの高原 霧島連山]噴火口周辺の蒸気[硫黄山 えびの高原 霧島連山]
空撮の画像では、21日の撮影画像に県道1号のそばから蒸気が上がっている様子が写っています。

えびの高原は、世界で霧島にのみ自生するバラ科の『ノカイドウ』のほか、天然記念物に指定されているツツジの『ミヤマキリシマ』生育する盆地状の高原です。4月8日には山開きが行われたばかりで、ゴールデンウィークをふくめた本格的な観光シーズンを控えていますが、鹿児島大学 火山学者 井村隆介准教授は「えびの高原は、この先、何年も入れなくなる可能性がある」とコメント。立入り規制の長期化を懸念しています。

硫黄山周辺でごく小規模な噴火

〈更新:04月26日 18時25分 現在〉
26日午後6時すぎ、硫黄山周辺でごく小規模な噴火が発生しました。噴煙が火口から200メートル以上まで上がったため気象庁は噴火速報を発表。現地周辺では引き続き噴火警戒レベル3の『入山規制』を継続。火口から約2キロの範囲で大きな噴石や火砕流に警戒を呼びかけています。

26日午前11時ごろ、火山地質学専門家とともに上空から硫黄山周辺を撮影した映像では、先週噴火した硫黄山の南側およそ100メートルの噴気孔が一体化しており、ときおり黒っぽい灰色の土砂・泥水か噴出しているのが確認されています。
また一方では、硫黄山中心から500メートル西側の県道1号線沿いの噴気孔の今後が気になるコメント。

今回の噴火が発生した場所が、その県道1号線沿いの噴気孔だったため、新たな火山活動の展開に監視を続けています。さらに、新たな噴火口は『想定火口域』としている山頂から半径250メートルの範囲の外だったことに警戒を強めています。

再噴火後の見解

26日18時にふたたび噴火した映像を見るかぎりでは、ほとんど白っぽい煙しか確認できず水蒸気噴火が起きたと見られ、これまでの一連の活動の一つと考えられています。

そのうえで、噴火が起きた山頂の西側の約500メートル付近は、今月20日の噴火以降、噴気活動が活発なうえ地盤の隆起も確認されている。今後も同様の噴火が起こる可能背が高いため、立ち入りが規制されている範囲は継続する。


硫黄山 道路規制・通行止

霧島連山の硫黄山の噴火によって噴火警戒レベル【3】に上がったため、立入り規制区域範囲が拡大しました。

現在、噴火口から2キロ以内の道路通行・立入り規制されています。全面通行止・登山をふくむ立入り規制規制に関する地図情報は以下の通り。《地図画像について:各地図は大きい画像も用意してあります。必要なばあいは画像をクリックして拡大してください。》

通行止・道路規制範囲

今後の火山活動によって溶岩流・火砕流が発生したばあい、2キロの規制範囲を超えることが予想されるため、道路の通行止区間は拡大延長されます。

硫黄山 噴火 規制範囲地図[霧島連山 えびの高原]

えびの高原 県道規制

硫黄山へ通じている[県道30号 えびの高原小田線][県道1号 小林えびの高原牧園線]の道路規制(通行止)情報。

硫黄山 噴火 県道規制地図[霧島連山 えびの高原]

霧島連山 登山道規制地図

今回噴火した『硫黄山』の2キロ立入り規制による登山道の規制地図を、3キロ立入り規制の『新燃岳』とあわせて掲載しています。規制範囲は広い範囲が入っているため、登山計画を立てている観光客のかたは注意が必要です。

硫黄山・新燃岳 登山道規制地図[霧島連山 えびの高原]


【LIVE 映像】霧島連山 えびの高原硫黄山 噴火