2018 Apple Watch Series 4 は〈2018年9月21日〉に発売したフルチェンジ版。ケーシングを新設計して 40mm と 44mm 筐体を採用し機能・仕様を大幅に刷新。
従来モデル Apple Watch Series 3 のディスプレイベゼルを狭くして表示領域を30%以上拡大。新開発 Apple S4プロセッサは 64bit に対応し処理速度が約2倍に向上。さらに、光学式心拍センサーが第2世代になり、電気式心拍センサーが加えられ FDA 認定機器となりました。
共通機能 / 仕様
おもな特長
Apple Watch(アップル ウォッチ)は、腕時計型ウェアラブルコンピュータ。基本的に Apple スマートフォンである iPhone と連携することでメッセージ、電話、メール、マップ、Siri、音楽、天気、株価などのアプリケーションが利用できます。
また、採用されているケース、風防、リストバンドの種類や、シリーズ別の『NIKE(ナイキ)』『Hermès(エルメス)』ラインナップによって販売価格に差があります。
感圧タッチ対応LTPO OLED Retinaディスプレイ
野外でも見やすい1,000ニトの輝度
心拍数のほか、気温情報、空気質指標とUV指数も同時表示できる
高精度な電気心拍センサーと、光学式心拍センサー
ストレージ容量:16GB
Apple S4 チップ(64ビットデュアルコアプロセッサ搭載)
Apple W3 チップ(ワイヤレス機能専用)
ワイヤレス充電対応
リチウムイオンバッテリー:最大18時間稼働
アナログ感覚の多機能ダイヤル Digital Crown
ウォッチを付けた者同士で会話できるトランシーバーアプリ
利用者の毎日の活動量を常に計測するアクティビティリング
スポーツユーザーに最適化される測定値『ワークアウト』
通常よりも高い心拍数と低い心拍数を検知するとアラートを表示
心拍数から睡眠、栄養、フィットネスまで1つのアプリで一括管理。
転倒検出(自動通報機能付き)
耐水性能(50メートル)
加速度センサー(最大32G)
Apple Musicなどのストリーミング対応
Apple Watch のみで電話可能な Cellular モデル
Apple Pay に登録した Suica / クレジットカードで支払い
手首を上げて話しかけるだけで Siri 起動
Apple Watch を着けていれば Apple コンピュータの自動ロック解除
AirPods の音量調整、音楽再生の基本操作
Apple TVの操作
サイズ・重量
Apple Watch Series 4 は、series 3 のフルチェンジモデルとなり、筐体からリストバンドまで刷新。ディスプレイサイズの拡大に合わせて筐体サイズは変更されています。
筐体(ケース)サイズは、Apple Watch Series 3 では〈38mm〉〈42mm〉ですが、Apple Watch Series 4 では〈40mm〉〈44mm〉と2ミリずつ大きくなりました。サイズ・重量・価格は以下のとおり。
38mm
40mm
42mm
44mm
縦
38 mm
40 mm
42 mm
44 mm
横
33.3 mm
34 mm
36.4 mm
38 mm
厚さ
11.4 mm
10.7 mm
11.4 mm
10.7 mm
重量
26.7 g
30.1 g
32.3 g
36.7 g
価格
31,800円〜
45,800円〜
34,800円〜
48,800円〜
Apple 正規取扱品(アマゾンジャパン)
文字盤と機能
Apple Watch の時計盤にあたる部分は、スマートフォンと同じようにディスプレイパネルに情報が表示される方式を採用。そのため、時計機能として時分秒を表示させることはもちろん、多数の情報を合わせて表示するコンプリケーション機能が利用できます。これらはユーザーによって自由に選択・追加できるカスタマイズが可能。
コンプリケーション機能は、ユーザーが選んだ文字盤の種類によって登録できるコンプリケーション数に違いがあります。また、Apple Watch シリーズ世代によっては表示できない文字盤・機能があります。
Apple Watch Series 4 リリースで追加された文字盤『インフォグラフ』は、Apple Watch Series 4 専用の文字盤ですが、コンプリケーションおよびサブダイヤルを最大〈8個〉まで追加できます。
最新モデルとなる Apple Watch Series 4 の文字盤に選択表示できるコンプリケーション機能は以下のとおり。
選択できるコンプリケーション
アクティビティ、空気質、アラーム、バッテリー、呼吸、カレンダー、日付、デジタルタイム、地球、よく使う連絡先、友達を探す、心拍数、ホーム、メール、マップ、メッセージ、モノグラム、月、ミュージック、News、電話、リマインダー、Remote、ソーラー、太陽系、株価、ストップウォッチ、日の出/日の入、タイマー、UV 指数、トランシーバー、天気、気象状況、風、ワークアウト、世界時計
文字盤レイアウト
選択する文字盤によっては Digital Crown の回転と連動して情報を確認できます。
watchOS 5.0 で機能・表示できる文字盤の詳しい情報は、Apple 公式ウェブサイト〔Apple Watch の文字盤と機能 〕にて掲載しています。
ワークアウト
Apple Watch の主な機能の1つとなる『ワークアウト』とは、ユーザーの運動に関する情報を記録する機能。計測できる運動は多岐にわたっており、手軽にできるスポーツとして人気のウォーキングからランニング。アウトドアで楽しむハイキング、サイクリング。インドアトレーニングのスイミング、ジム。さらに、健康維持やリラックスに効果があるとされるヨガにも対応。他にも計測できる項目があります。
どのような情報が記録されるのか、ウォーキング・ランニングを例に上げると、経過時間、消費カロリー、心拍数、平均ペース(平均速度)、距離といった情報が計測され終了後にデータ保存されます。
保存されたワークアウトのデータは、iPhone と連携して保存が可能。iPhone の「アクティビティ」アプリを利用することで、過去の記録を一覧にしたり比較することが可能になります。
またワークアウトでは、ユーザーの目標値を設定することができます。たとえば、歩いたり・走りたい目標距離や、消費カロリーの目標値を設定して計測することができ、目標までの途中経過の状況から目標達成を通知で知らせてくれます。
ワークアウトの項目
ウォーキング
ランニング
サイクリング
エリプティカル
ローイング
ステアステッパー
HIIT(高強度インターバルトレーニング)
ハイキング
ヨガ
スイミング
車椅子
その他
その他の項目について
ユーザーが実施する運動がワークアウトの種目に無いばあいは『その他』を選択します。この場合はセンサーの値をもとに消費エネルギーを算出しますが、読み取れないばあいは早歩き程度の運動量に相当するカロリーかキロジュールが加算されます。また、計測終了時には任意の名前をつけて記録保存が可能。
仕様情報の補足
トレッドミルや、屋内トラックや屋内施設など、屋内で『歩く / 走る』ときは『室内ウォーキング』『室内ランニング』を選択してください。また、室内でのペースや距離の精度が上がるように、はじめは屋外でワークアウト App を使って〈20分以上〉のウォーキング / ランニングを何度か繰り返して Apple Watch の調整をしておきましょう。
Apple Watch Series 1 以前の場合は、調整時に iPhone も携帯する必要があります。
Apple Watch Series 2 以降は GPS を内蔵しているので、ペースや距離が記録され、iPhone のワークアウト概要画面には、歩いたコースが地図で表示されます。
Apple Watch Series 3 以降は高度計を内蔵していて、高度を記録できます。Apple Watch Series 2 以前で高度を記録するには、iPhone を携帯してください。
心電図モニター機能
Apple Watch の Series 3 から注目されているのが心電図モニター機能 ECG(Electrocardiogram)です。
心電図機能は Apple Watch Series 4 シリーズに共通して搭載されている心電図計測センサーと watchOS 5.1.2 のアプリケーションと連動して機能します。この ECG 機能は、米国の食品や医療機器の認証をする FDA(Food and Drug Administration = アメリカ食品医薬品局)の承認を受けたことにより、アメリカ先行でアプリが有効化されています。
日本で販売されている Apple Watch の心電図機能に、高い興味を持っているユーザーは多いでしょう。しかし、日本で ECG 機能を有効化させるには医療機器として承認を得る必要があるため、現在の日本ではアプリが有効化されず利用することができません。
Apple Watch の心電図とは
最新の Apple Watch Series 4 には、電気心拍センサーと、第2世代の光学式心拍センサーの2種類のセンサーを搭載。心電図測定には、筐体背面のクリスタルにビルトインされている電気心拍センサーと、デジタルクラウンの2つの電極を利用して、指と手首の触れる部分から直接測定します。
測定方法は簡単で、ユーザーがデジタルクラウンに指を触れていれば、約30秒後に心電図の解析結果が分かるしくみ。解析結果は、正常であれば『洞調律』や、重大な疾患につながる『心房細動の兆候』といったように表示されます。この心電図アプリでは、心拍が50拍以下や、120拍以上は診断できず、指が動いたり他のノイズなどが検出されたパターンでは『判定不能』と表示される。
また、関連する機能として、watchOS 5 に対応する Apple Watch を腕につけていれば、アプリのバックグラウンド機能によって常に心臓の鼓動を解析。そこで不規則な心臓の鼓動や、房細動の兆候が検知されれば、ディスプレイ上にメッセージを表示させることもできます。
Apple Watch 心電図の利点
指で触れて約30秒後には心臓図の解析結果を表示
常に心臓状態をチェックして異常察知したら警告
Apple Watch 心電図の注意点
事前に心臓発作を感知できない
血栓や心筋梗塞などの感知はできない
その他の心臓疾患を感知できない
心臓疾患の兆候を見つける
不整脈の中には発作の頻度が低く、受診された際に心電図を取っても不整脈かどうか判定が難しいことがしばしばあります。
しかし、つねに装着している Apple Watch の機能を利用していれば、動悸や胸痛などの不整脈を感じたときの記録が残るため、医療機関での疾患の早期発見に貢献することでしょう。ユーザーは、医師に診てもらうための記録情報を Apple Watch から PDF データとして出力することが可能です。
Apple Watch は、医療機器としては発展途上のデバイスではありますが、心房細動自動検出の精度が向上すれば抗凝固薬治療の薬物投与の内容が変わっていく可能性もあります。今度のさらなる進化を大いに期待させてくれるウェアラブルコンピュータであることは間違いないでしょう。
GPS / セルラーの違い
Apple Watch の購入を希望している人は、最初どのモデルを選ぼうか検討いることでしょう。しかし、その他に重要な要素として GPS モデルと、GPS + Cellular モデルのどちらを選んだほうが便利なのか、さらに悩むことになります。
Cellular 版の特長
Apple Watch GPS + Cellular(セルラー)モデルの最大の特徴は、Apple Watch 単体で電話通話が可能なこと。ようは iPhone を家に置いてきても、電話のほか、メール、メッセージなどの確認・返信に対応できます。手ぶらな状態で通信機能が利用できるため常に身軽ですし、スポーツを楽しむユーザーならかなりポイントは高いです。
セルラーモデルの特徴と条件
Apple Watch だけで電話をかける / 受ける
運動時も電話着信・メッセージ通知を受け取る
Siri を使って目的地までのルート案内
運動時にデータ通信が必要なアプリを利用
Apple Music などのストリーミング音楽を聴く
ステンレスケース筐体を選ぶ
Hermès(エルメス)モデルが欲しい
以上の条件がひとつでも当てはまるなら Cellular モデル購入の検討が必要です。
セルラーモデルの注意点
通信キャリアとの契約が必要
MVNO(格安SIM)には未対応
Cellular モデルはスマートフォンと同様の通信をおこなうため、DoCoMo、SoftBank、au などの各キャリア通信会社との契約が必要となり、月額使用料が発生します。また、通信料を抑えることができる MVNO(格安SIM)の利用については、Apple Watch に SIM カードスロットが無いため、現在のところ『格安SIM』には対応していません。
GPS 版の特長
Apple Watch の GPS モデルでもっとも注意しないといけないのは、iPhone を一緒に持ち歩いていないと多くの機能が利用できないことです。GPS モデルは、LTE 通信機能を内臓していないので、親機となる iPhone と連携していないと、電話・メッセージ着信から、ルート案内、音楽ストリーミングといった、ネット通信が必要なアプリケーションが機能しません。
GPS モデルの機能を100%引き出すためには、通信契約済み iPhone のユーザーであることが前提です。
ただ、いつも iPhone を持ち出している一般的なユーザーであれば、GPS モデルでも、Cellular モデル同様の機能を利用することができます。また、スポーツを楽しむユーザーでも、iPhone を収納できるバッグ・ポーチや、アタッチメント装着ができるのであれば、腕に装着した Apple Watch GPS モデルで多様な機能が使いこなせます。
もし、iPhone がバッテリー切れなどで稼働しなくなっても、スポーツシーンで活躍するワークアウト機能は記録を含めて作動しますし、Apple Pay に電子マネーに対応するクレジットカードを登録しておけば、コンビニで買い物もできます。
通信接続しなくても使えるアプリ
Apple Watch GPS モデルが、Wi-Fi、モバイルデータ通信、iPhone に接続できない場合でも利用できるアプリケーションは以下のとおり。
ワークアウト App を使ってワークアウトの内容を記録する
アクティビティ App でゴールを追跡する
時計を確認し、アラーム、タイマー、ストップウォッチの各 App を使う
同期しておいたプレイリストの曲を再生する
Apple Watch に保存されている Podcast を聴く
同期しておいたフォトアルバムの写真を表示する
Apple Pay で買い物する
心拍数を調べる