audio technica ( オーディオテクニカ ) のMC型ステレオカートリッジ『AT33EV』は、AT33ANV からの進化版モデル。
従来モデル『AT33ANV』は、2006年にオーディオテクニカ創立45周年記念モデルとして発売されたスペシャルなカートリッジ。
そのポイントは『伝統のシステムと最先端の技術が融合』で、高い人気でロングセラーモデルとなっている AT33 シリーズの基本構成と外観はそのままに、最先端の技術とノウハウで熟成した限定生産モデルとなった。
なお、AT33ANV のおもな仕様ポイントは以下のとおり。
- AT33ANV の特長
- 円スタイラスチップと高硬度ジュラルミンパイプカンチレバー。
- 銅線の限界に迫る純度99.99996%のPCOCC6Nコイルを採用
- AT33シリーズ初の10Ωミドルインピーダンス仕様
- 不要な運動を抑えるVCモールド
- 磁気エネルギーを飛躍的に高めたネオジウムマグネットとパーメンジュールヨーク
- 高セパレーション、ワイドレスポンスのデュアルムービングコイル

AT33EV 解説
- 楕円スタイラスチップと高硬度ジュラルミンテーパーパイプカンチレバー。
- 10Ωミドルインピーダンス仕様。
- 磁気エネルギーを飛躍的に高めたネオジウムマグネットとコイルにPCOCC採用。
- 高セパレーション、ワイドレスポンスのデュアルムービングコイル。
- 不要な振動を抑えるVCモールド。
- 不要な振動を抑える「ハネナイト」制振ゴム。
楕円チップとジュラルミンカンチレバー
先代モデル AT33ANV で採用された初のジュラルミンカンチレバーを、AT33EV では更に改良をほどこしジュラルミンカンチレバーのテーパー化へ設計変更している。この改良により振動系実効質量の低減と、さらなるカンチレバーの高硬度化を実現させている。
また、カンチレバーはテーパー状へ加工される工程時に、加工硬化されるため、従来のジュラルミンカンチレバーよりも音の伝わりかたが速くなり、優れた応答性能を実現。
レコード針は、長時間耐久を実現した独自開発の楕円スタイラスチップを高硬度ジュラルミンカンチレバーへ埋め込み接着することで、歪み感の少ないクリアでナチュラルな音質が可能となっている。
楕円スタイラスチップとジュラルミンテーパーパイプカンチレバーの組み合わせによって、中低域を肉厚に表現できるメリットがある。
さらに、振動系を伝統2重ダンパーで支持することによって共振を分散させ安定したトレースとリニアな周波数特性を得ている。
10Ωミドルインピーダンス仕様
ミドルインピーダンス仕様のコイル電気抵抗成分で発生する損失を『銅損』と表現している。
AT33EVでは、銅損を最小限におさえるためインピーダンスを10Ωに、出力電圧では0.3mVを得て使いやくしている
このカートリッジでは純粋な音質を追求するため、最大エネルギー積のネオジウムマグネットを採用。
その構成は、磁気エネルギーを高めたネオジウムマグネットとパーメンジュールヨークマグネット。また、ヨークには高い飽和磁束密度と優れた磁性材料のパーメン ジュールを採用し、コイルギャップ部の集中磁界をさらに強化した。
さらに、コイルには伝送方向へ結晶粒界を発生しない高品質なPCOCC採用し、純粋な伝送を可能としている。
スペック:AT33EV
- 型式
- MC型
- 再生周波数範囲
- 15~50,000Hz
- 出力電圧
- 0.3mV(1kHz、3.54cm/sec.)
- チャンネルセパレーション
- 30dB(1kHz)
- 出力バランス
- 0.5dB(1kHz)
- 針圧
- 1.8~2.2g(2.0g標準)
- コイルインピーダンス
- 10Ω(1kHz)
- 直流抵抗
- 10Ω
- 負荷抵抗
- 100Ω以上(ヘッドアンプ接続時)
- コイルインダクタンス
- 22μH(1kHz)
- スタチックコンプライアンス
- 40×10-6cm/dyne
- ダイナミックコンプライアンス
- 10×10-6cm/dyne(100Hz)
- スタイラス
- 無垢楕円針(0.3×0.7mil)
- カンチレバー
- ジュラルミンテーパーパイプ
- 垂直トラッキング角
- 23°
- 外形寸法
- H16×W16.6×D26.5mm
- 質量
- 6.9g