2020年後半の最新機種となる iPhone 12 シリーズは、設計構造を全面刷新するオールチェンジモデル。
ベゼルレス・オールディスプレイを引継ぎつつ、ディスプレイサイズ変更や、新規の有機 EL パネルを採用。上位モデルは、メインカメラ構成は従来モデルを継続しつつも LiDAR スキャナ(3D ToF)を搭載するもよう。
iPhone 12 リーク《2》
2020 iPhone の 5G 対応
以前からの情報どおり、Apple は 自社開発の 5G モデムチップの準備が2022年まで間に合わないと予測。また、Apple は独自開発のパワーアンプと RF アンテナ設計し次世代モデルへの導入も検討しているようです。
モデムチップの情報では、Intel(インテル)がモデム事業から撤退したにもかかわらず、2019年モデル iPhone には Intel 製モデムチップを使用すると述べていました。おそらく Qualcomm(クワルコム)との和解と Intel のモデムチップ開発撤退の情報が流れている頃には、2019 新型 iPhone 向けのモデムチップ部品供給が急増していたと思われる。
とりあえず、Apple は 5G モデムチップの供給を Qualcomm から受けることが可能になったため、5G 対応 iPhone は2020年秋に発売されるハイエンドモデル2機種に搭載されるでしょう。ちなみに、2018 iPhone XR の後継機となる〈6.1-inch〉iPhone 11 の移動通信モジュールは、LTE(4G)のみサポートで 5G には対応しない。
Ming-Chi Kuo(ミンチークオ)氏の 2020 新型 iPhone 発売予想リポートで気になったのが、折りたたみ iPhone に対する言及がなかったこと。
Apple は自社工場を所有せず主要部品の生産・組立は、サプライヤーといった社外の請負企業が担っています。折りたたみ iPhone の特殊なディスプレイパネルも、ディスプレイを設計生産する専業メーカーから供給を受ける形になっています。
現在、折りたたみディスプレイを納入できるのは、韓国 Samsung Electronics(サムスン電子)なのですが、折りたたみ OLED パネルの耐久性と改良に時間がかかっており、他社への供給体制のメドがたっていません。いずれ耐久性問題も解決するでしょうし、今後のレポートで話題に上がる可能性もあります。
新しいディスプレイサイズへ変更
iPhone 12 シリーズのパネルサイズは、iPhone 11 と同等サイズは継続。ハイエンドモデルの Pro 系は、パネルサイズをふくめた設計・仕様が変更されるため、新開発パネルを採用。
画面サイズの二極化がすすむ
TF International Securities に所属し、Apple 製品のアナリストとしても信頼できる新製品情報を予測している Ming-Chi Kuo(ミンチークオ)氏によると、2020年モデルでは、すべてが OLED(有機 EL)パネルを採用。さらにサイズも変更され、従来モデルより小型・より大型のスクリーンサイズが用意されると予測。
新しいディスプレイサイズは、6.7インチ、5.4インチ、6.1インチの3種類。
iPhone 12 | iPhone 12 Pro | iPhone 12 Pro Max | |
---|---|---|---|
2020年モデル | 6.1インチ | 5.4インチ | 6.7インチ |
iPhone 11 | iPhone 11 Pro | iPhone 11 Pro Max | |
2019年モデル | 6.1インチ | 5.8インチ | 6.5インチ |
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---|---|
iPhone 12 画面表示パネルの種類
2020 新型 iPhone 12 では、新しい筐体サイズに合わせてディスプレイパネル仕様を大幅に変更します。すでにパネル開発・部品生産の協力企業も決定しており準備は着々と進んでいるもよう。
2020年モデルすべてが OLED パネル
新型 iPhone 12 シリーズでは、3機種すべてのディスプレイパネルが OLED(有機 EL)搭載されると多くの情報が挙がっています。
有機 EL は、導入当初は製造コストが高いため上位モデルのみに採用していましたが、生産設備が多く整った現在では、中位クラスに採用できるほどコストが抑えられています。
OLED パネルは2種類
iPhone 2020年モデルに採用する OLED パネルは、2種類のグレード分けが設けられる予測情報があります。
上位モデル Pro 系には、極薄化・高画質・低電力作動の高品質パネルを採用。ベーシックモデルには、廉価な OLED パネルが採用される。ふたつの画面パネルは、販売価格に見合った有機 EL が採用されるようです。
廉価モデル初の有機 EL 搭載
2019年モデルでは、ベーシックモデル iPhone 11(iPhone Xʀ 後継機)が 液晶パネルなので、高品質な表示を実現する有機 EL パネルの採用はエントリーモデルとしては注目のアップグレードです。
iPhone 11 後継機は画面表示も大きいため、画像・映像の鮮やかさや質感に多くのユーザーを惹きつけるでしょう。
- 有機 EL の特長
- 太陽光線が降り注ぐ明るい野外でも見やすい
- コントラスト比が高く鮮やかな発色
- 応答速度が速く、動画・ゲームの動きがスムーズ
- 視野角が広く斜めからでも安定した映像表示
- 低い消費電力でバッテリー駆動の延長
全面刷新 A14 Bionic 予測仕様
近年発売されている iPhone シリーズ の心臓部には、多くのスマートフォンの中でも最もパワフルな、Apple 独自開発のプロセッサ『A シリーズ』を搭載。
このチップには、学習機能をもつ賢い Neural Engine(ニューラル エンジン)を採用しており、あらゆる動作を管理・最適化。 Neural Engine を搭載した Apple A シリーズプロセッサ は、圧倒的なパフォーマンスを発揮。リアルタイムの機械学習を使って、写真、ゲーム、拡張現実などの技術を進化させます。
5nm プロセス:高速処理・省電力
新型 iPhone 12 に採用されるプロセッサ(SoC = System on Chip)は、かねてからの情報どおり Apple 自社開発の[A14 Bionic]が採用されると多くもメディアでは予測されています。
新開発の A14 チップは、A13 チップより回路設計を大幅に刷新したオールチェンジ版。
微細な3D集積回路を採用する OIP(Open Innovation Platform )をふくめた 5nm プロセステクノロジによってチップの小型化・高速演算処理・省電力・発熱量低減を実現すると仕様にも記されています。
Apple A14 製造に必要とされる 5nm プロセスチップの量産は、当初の計画どおり進んでいるもよう。生産設備の整備計画は今後より加速するようで、2020年前半には 5nm チップの生産が順調に進んでいると投資家へ向けて述べています。
プロセッサ | 製造プロセス | |
---|---|---|
2019 iPhone | A13 Bionic | 7nm プロセスで製造 |
2020 iPhone | A14 Bionic | 5nm プロセスで製造 |
上位モデルはトリプルカメラを継続
iPhone 11 シリーズでは、ベーシックモデルの iPhone 11 がデュアルカメラ。ハイエンドモデルの iPhone 11 Pro がトリプルカメラです。
新型 iPhone 12 シリーズが2019年モデルの製品グレードを継続するなら、メインカメラのカメラユニット構成も同様になります。ただ Apple が製品グレードやコンセプトを変更するなら、すべての機種でトリプルカメラの搭載もありえますが、まだ情報が不足しています。
カメラユニット
新型 iPhone のメインカメラに関して情報メディア、投資家向け資料や、数あるリーク情報によると、2020年モデルの新型 iPhone のラインナップは3機種で、2眼カメラ以上のカメラユニットが採用。
さらに、新搭載の 3D ToF センサーを含めると4眼(クアドラプル)カメラの可能性も予想されている。
iPhone 12 | iPhone 12 Pro | |
---|---|---|
第1カメラ | 超広角レンズ | 超広角レンズ |
第2カメラ | 広角レンズ | 広角レンズ |
第3カメラ | 3D ToF | 望遠レンズ |
第4カメラ | – | 3D ToF |
iPhone 12 カメラ
ベーシックモデル iPhone 11 に採用されたメインカメラはデュアルカメラ。2020年 iPhone 12 もベーシックモデルという位置付けであれば、同様の2眼カメラ構成と思われます。Apple が新装備にたいする価格上昇を計画に入れているなら 3D ToF センサー搭載の可能性が上がります。ToF センサーは、通常の画像撮影も可能であるため、そのメリットを活かすか興味深いです。
iPhone 12 Pro カメラ
iPhone 11 Pro の後継機となるハイエンドモデル iPhone 12 Pro は、トリプルカメラを継続採用。3D ToF センサーの搭載は間違いないでしょうが、深度センサーを 3D センシング専用に利用するのか、通常の画像撮影にも活用するのか注目されます。
メインカメラ特長
新型 iPhone 12 シリーズのメインカメラでは、各レンズユニット・イメージセンサーの部品に大幅な改良はなく、ほぼ仕様は引き継がれます。
- メインカメラ特長
- これまでより4倍広い超広角カメラ
- 各カメラ画角から瞬時 / シームレスな切替え
- シャッターを長押しで写真モードからビデオ撮影開始
- より表現力をそなえた次世代のスマートHDR
- 広角カメラでも美しくボケるポートレートモード
- 暗がりでフラッシュ不要のナイトモード
- スローモーション動画で自撮りする『スローフィー』
- iPhone 内でできる高画質フォト / ビデオの加工編集
- 高画質・低ノイズの1,200万画素イメージセンサー
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AR 機能拡張に貢献する 3D ToF センサー
2020年モデルのカメラシステムで高い関心が寄せられているのが、3D ToF センサーの採用です。
ToF(Time of Flight = トフ)センサーは、おもに AR(拡張現実)機能に貢献するもので、立体的なデータを高速・高精度なスキャニングを得意とする iPhone の新機能のための装備。
ToF カメラとは
ToF センサーは一般的には 3D スキャナに属し、対象物となる被写体に照射したレーザーパルスを送出してから反射するまでの時間を測定することで、照射領域の形状や環境状況を把握する方式。
- ToF センサー特徴
- 光の少ない低照度環境でも問題なく動作する
- 1基のカメラモジュールで対象物の深度情報が得られる
- ToF カメラでは3D データと同時に従来画像の撮影も可能
ToF カメラの利用
3D ToF センサーは高精度な顔認証から、静止対象物の形状を把握するたけでなく、動いている対象物を読み取りが可能。
この特徴を利用すれば、AR ゲームなので対象者の特定のジェスチャをトリガーにして、アクティブなゲームの作動・効果を実行可能。また、対象者をバーチャルキャラクターに置き換えて自在に動かしたり、まばたき・顔の表情との連動もできます。
iPhone や iPod 以外に利用するなら、一般家庭から重要施設のセキュリティや、車両の自動運転などにも用いられる技術です。
ディスプレイ内臓式 Touch ID
中国メディア Global Time によると、ディスプレイパネルに Touch ID を内包した中国限定 iPhone の開発計画があると報じています。
Global Time が述べている iPhone は、現行モデルの全面画面とするオールディスプレイを採用しながらも顔認証セキュア Face ID を搭載せず、指紋センサーモジュールをディスプレイに内臓する指紋認証セキュア Touch ID を発売するとしている。
この画面内臓式 Touch ID の発売を予測する根拠には、中国市場で販売シェアを大幅に落としている iPhone の改善対策としている。
Face ID は部品コストが高く、システムモジュール1基あたり数百元の部品代がかかり iPhone の販売価格を安くできません。しかし、部品コストの安いディスプレイ内臓式 Touch ID へ変更して価格をおさえれば、販売数を回復させれるだろうと予測している。
中国のスマートフォン市場では、5,000元(約80,000円)ほどで販売されるスマートフォンに人気がある。この価格帯の製品にはディスプレイ内臓式の指紋センサーのほか、高画質多眼カメラ、ポップアップカメラ、スライド式ディスプレイといった充実した性能・機能を搭載する。これらプレミアムからリーズナブルな価格帯のラインナップを揃える Huawei(ファーウェイ)、OPPO(オッポ)、Vivo(ビボ)といった自国製品にユーザーの目が向いており年々販売数を伸ばしている。
今回の画面内臓式 Touch ID の情報は、中国ブランドに対抗するために同価格帯の iPhone を投入する予測であるが、中国メディア Global Time の予測は過去例を含めると信頼度が低いため、発表された大雑把な報告書についても、多くのメディア・アナリストは話半分も信じているか分からない。
中国市場への限定仕様については、2018 iPhone で SIM カードが2枚セットできる Dual SIM(デュアル シム)仕様を中国限定モデルとして販売しています。Apple も人口の多い中国スマートフォン市場を軽く見ることができないため、ある程度は柔軟な対応をとっています。
ただ、今回上げられている仕様は、指紋センサー内臓の専用ディスプレイの新規設計と調達、さらにハードウェア・ソフトウェアの最適化が必要になるため、SIM スロットを増やすより更にハードルが上がっています。
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