2020年後半の最新機種となる iPhone 12 シリーズは、設計構造を全面刷新するオールチェンジモデル。
ベゼルレス・オールディスプレイを引継ぎつつ、ディスプレイサイズ変更や、新規の有機 EL パネルを採用。上位モデルは、メインカメラ構成は従来モデルを継続しつつも LiDAR スキャナ(3D ToF)を搭載するもよう。
iPhone 12 リーク《5》
iPhone 12 Pro Max サイズ情報リーク
2020年秋に発売が予想されている iPhone 12 シリーズの最上位モデル iPhone 12 Pro Max の筐体サイズ数値が詳細にリークしたもよう。
この情報を公開したのは、XDA TV のホスト / ライターである Max Weinbach(マックス ウェインバッハ)氏で、iPhone12 Pro Max の CAD データを入手したことを Twitter に投稿しています。
I managed to get (unfinished) iPhone 12 Pro Max CADs. These renders are based off those CADs! https://t.co/gABuPYsV2p
— Max Weinbach (@MaxWinebach) April 17, 2020
iPhone12 Pro Max の CAD データ
以下の画像がリークした CAD データで、次期モデル iPhone 12 Pro Max と、現行モデル iPhone 11 Pro Max の寸法のほか、造形がわかるアウトラインで表示しています。
側面:厚み・形状
この CAD 画像の左側が次期 iPhone 12 Pro Max、画像の右側が現行 iPhone 11 Pro Max です。
この寸法比較から分かるのが、次期モデルの筐体の厚みが〈0.7ミリ〉ほど薄くなっています。最上位機種 iPhone 12 Pro Max のディスプレイパネルは新設計パネルを採用して極薄化する情報があがっており、筐体のスリム化に貢献する可能性があります。
また、リアカメラのバンプ(盛り上がり)厚みの数値に注目すると〈0.05ミリ〉厚くなっています。これはカメラモジュールの厚みが薄くなっていない分、カメラハウジングが出っ張っています。
カメラモジュールは、イメージセンサーからレンズまでの距離や、画質を左右するレンズユニットの構成に制約があるため、やみくもに薄くできません。さらに、近年発売するハイエンド iPhone ではイメージセンサーの大型化も噂されており、画質を追求するならカメラハウジングはスリム化できない傾向になるでしょう。
次期モデルと現行モデルで、明確な差が表れているのが筐体側面の造形。現行モデルが丸みのある曲面ながらも、次期モデルはフラット形状を採用。iPhone SE などが採用していたスクエアな形状に戻っています。
側面 CAD 画像で相違点はあと2箇所あります。ひとつはアンテナラインの太さと、スリープ(ON / OFF)ボタンの位置が下がっていることでしょう。
背面:カメラの寸法
CAD 画像の左側が次期 iPhone 12 Pro Max、画像の右側が現行 iPhone 11 Pro Max。この画像では、筐体背面(リアパネル)の縦横寸法とメインカメラのハウジング横寸法を明記しています。
iPhone 11 Pro Max では画面サイズが〈6.5-inch〉ですが、iPhone 12 Pro Max では画面がより拡大されて〈6.7-inch〉になります。表示領域の拡大は寸法にも表れていますが、両モデルのサイズ差はわずか。その理由は前面ベゼルにありますが、解説は次項へ書きます。
iPhone の背面で目立つのがメインカメラ。現行モデルはトリプルカメラ(超広角・広角・望遠)を採用しています。次期モデルも同様にトリプルカメラを搭載しますが、それとは別に構造物を立体的にスキャニングできる LiDAR スキャナが導入されるため、カメラが4基のクワッドカメラのような外観になります。
また、カメラユニットが正方形状に4基並ぶため、カメラハウジングの大きさもトリプルカメラより広くなり、背面のメインカメラはいっそう目立つでしょう。
前面:画面・ノッチ
CAD 画像の左側が次期 iPhone 12 Pro Max、画像の右側が現行 iPhone 11 Pro Max。この画像ではディスプレイの横幅と、ベゼル(枠)幅の寸法を明記しています。
注目する点は、ベゼルが狭くなって画面周りがスマートになったところ。
iPhone 12 Pro Max のディスプレイサイズが広くなった割に筐体サイズの拡大が少ないのは、ベゼル幅を狭く改良するからです。
また、ベゼル狭小と同時にノッチの小型化が施されています。近年ノッチ廃止の噂が多かったのですが、この CAD データには小型化されたノッチが描かれています。
ノッチの小型化には、特殊なカメラ・センサーモジュール開発や小型化が必要になりますが、どんな技術を採用するのか興味深い。
モックアップ:iPhone 12 Pro Max
また、EverythingApplePro の YouTube チャンネルでは、Max Weinbach 氏が入手した CAD データをもとにコンセプト画像とモックアップを公開。
iPhone 12 Pro Max モックアップは CAD データをベースに製作しており、少し大きくなった筐体サイズを再現。また、小型化されるノッチ部分も同様に仕上がっている。ただ、ベゼル部分の幅は同等に見える。
背面はメインカメラを再現。大きくなるカメラハウジングに、カメラ・スキャナと LED フラッシュの配置も CAD データ同様に。
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iPhone 12 Pro Max 遅れて11月発売
新型コロナウイルスの世界的蔓延によって、様々な製造業に生産上の問題が発生していますが、Apple もコロナ禍の影響により、開発部従業員やサプライヤーの生産体制に遅れが発生中。
Apple Card で発行銀行として提携している、アメリカの金融グループ企業 Goldman Sachs(ゴールドマン サックス)証券が、iPhone 12 の発売時期について推測。
Goldman Sachs の推測
Goldman Sachs は、iPhone 12 シリーズのフラグシップモデルとなる iPhone 12 Pro Max の発売が、2020年11月まで遅れると述べています。
新型 iPhone の発売遅れの原因は、新型コロナウイルス感染予防対策として発令されている他国への渡航制限。
この渡航制限によって、Apple 開発エンジニアたちが生産の最終調整作業に遅延が生じるため、ハイエンドモデル iPhone 12 Pro Max の発売が、例年の9月ごろではなく11月ごろに遅れるとしている。
Lightning コネクタ継続
ここ数年、次期 iPhone の仕様が噂されるたびに情報があがるのがコネクタ規格です。MacBook や iPad Pro などに USB-C が採用されたため「次は iPhone が USB-C に変更される番か?」と言われるわけです。
多くの iPhone ユーザーが気になる次期モデルのコネクタについて、Front Page Tech のテクノロジー系ジャーナリスト Jon Prosser(ジョン プロッサー)氏が予想を Twitter に投稿。
I feel like I shouldn’t have to say this, but no — there’s absolutely not USB-C in iPhone 12.
Apple will go portless before they go USB-C.
— Jon Prosser (@jon_prosser) April 18, 2020
全項目で iPhone12 Pro Max と予想される CAD データがあがりましたが、接続端子が Lightning(ライトニング)と USB-C のどちらなのか、コネクタ規格に関する情報はありませんでした。
Jon Prosser 氏が予測では、将来発売される iPhone のコネクタ規格に USB-C が採用されることはなく、接続端子が省かれるポートレス化によって、充電以外の同期・情報交換も完全ワイヤレス化されるだろうと述べています。
なお、iPhone のポートレス化については、英国 国際金融グループ Barclays(バークレイズ)アナリストも予測レポートにあげています。
EU のコネクタ規格規制
EU(欧州連合)の欧州議会は、スマートフォンをふくむモバイル機器の接続端子規格の統一を議決し、2020年7月までに欧州委員会が立法化します。議決では規格統一のコネクタを選定中ですが、有力候補として USB-C 規格があがっています。
Jon Prosser 氏は、EU が議決したモバイル機器にたいする接続端子の規格統一について「変換アダプターを同梱すれば問題はない」回答しています。
What about the EU radio equipment act thing that forces all phone manufacturers that sell in the eu to adapt the same charging standard
— highest quality BS (@httpDjuro) April 18, 2020
iPhone が USB-C を採用しないワケ
Apple は先端技術を積極的に採用するメーカーで、USB-C 規格がまだ普及していないころに MacBook シリーズへ積極的に採用していきました。それからしばらくして iPad Pro へ採用して外部ストレージへのアクセスを可能にしています。
Jon Prosser 氏 は、ツイートに iPhone が USB-C を採用しない理由を尋ねられ「iPhone は、外部機器(ストレージ・メモリなど)に接続して機能の追加・拡張をする必要性がないため、USB-C 端子に移行しない」と回答しています。
I tend to agree with the statement, but then wonder why they did it with iPad pros but won’t use the same philosophy with iPhones
— Mikel W (@white_knight85) April 18, 2020
Apple は同ラインナップの差別化のため、上位モデルに最新規格パーツを採用する例は多い。実際タブレットの iPad シリーズも最上位グレードの iPad Pro は USB-C を装備していますが、それ以外のモデルは 従来どおり Lightning を装備して仕様を分けています。
iPad Pro のばあいは内蔵バッテリーから他のモバイル機器への給電機能に対応しており、この部分が USB-C を採用した一番の理由になるでしょう。
バッテリー容量の少ない iPhone が、他の機器に給電するのは現実的ではなく、Apple が USB-C 採用に消極的な理由があるでしょう。
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