2020年後半の最新機種となる iPhone 12 シリーズは、設計構造を全面刷新するオールチェンジモデル。
ベゼルレス・オールディスプレイを引継ぎつつ、ディスプレイサイズ変更や、新規の有機 EL パネルを採用。上位モデルは、メインカメラ構成は従来モデルを継続しつつも LiDAR スキャナ(3D ToF)を搭載するもよう。
iPhone 12 リーク《8》
iPhone で車の施錠 / 解錠
Apple が開発を進めているクルマの鍵をデジタル化する技術 CarKey(カーキー)。
スマートフォンを車の鍵として利用できる技術を推進している業界団体 CCC(Car Connectivity Consortium)では、参加メーカー内で互換性が保てるように業界標準規格『Digital Key』のデータを加盟企業へ公開しています。
iPhone がクルマの鍵となるスマートキーの利用はすでに始まっており、ドイツ自動車メーカー BMW が世界に先駆けてスマートキーを自社乗用車に導入しています。
BMW Digital Key for the iPhone
BMW が導入するクルマ用デジタルキーは、2020年6月22日に Apple スマートフォン専用 OS『iOS 14』の機能として発表されており、2020年7月1日以降に製造されたBMWモデル(1、2、3、4、5、6、8、X5、X6、X7、X5M、X6M、Z4)で対応。
このデジタルキーシステムに互換性のある iPhone は、iPhone Xʀ、iPhone Xs 以降。Apple Watch については Series 5 以降となっています。
iPhone 用 BMW Digital Key は BMW スマートフォンアプリを利用して実行できます。このアプリでできる操作は、ドアの施錠・解除はもちろん、スマートフォン専用トレイにセットしてスタートボタンを押せばエンジンスタートが可能。オプション機能として、最高速度、最高出力、カーオーディオの音量などの制限設定が可能。また、家族で運転できるように最大5人のユーザーがスマートキーの共有ができます。
Apple と BMW は CCC と連携して業界標準規格の確率をすすめるプロジェクトを推進しており、将来的には iPhone を取り出すこともなくロック解除できる UWB(Ultra Wide Band = 超広帯域無線)テクノロジーを利用した機能の研究を進めています。
Digital Key 規格参加のメーカー
CCC(Car Connectivity Consortium)が推進するスマートキー業界標準規格『Digital Key 1.0』では、ユーザーがデジタルキーをスマートフォンにダウンロードしたあと、NFC(Near Field Communication = 近距離無線通信)を使って車のロック解除・施錠だけでなく、エンジン始動が可能。
CCC によると、この技術は TSM(Trusted Service Manager)システムを利用しており、デバイス上にあるデジタルキーのセキュリティを保証している。
なお、NFC テクノロジーは、日本の交通系 IC カードとなる Suica、PASMO に導入されている技術とおなじ。
『Digital Key 1.0』規格に参画する自動車メーカーは、Audi、BMW、General Motors(GM)、現代自動車(ヒュンダイ)、Volkswagen。電子機器メーカーは、Apple、Samsung Electronics、LG Electronics、Panasonic などが名を連ねています。
CarKey と Digital Key 2.0
Apple がプロジェクトを推進している iPhone によるデジタルキーが CarKey。システムの基本機能は CCC のスマートキー Digital Key 規格に沿っており、NFC(Near Field Communication = 近距離無線通信)を利用します。
Apple の CarKey は、2020年5月に公開されたクルマ用デジタルキー規格 Digital Key 2.0 に対応する設計がほどこされ、iPhone 内にデジタルキーを安全に保管、認証、共有できます。
CarKey はネットワーク接続がない状態でも使えるほか、iPhone のバッテリー残量が少なくても動作する『低電力モード』機能に対応。
これは、iPhone の充電が必要(電話・ネット閲覧などの基本機能が使用できない充電切れ)な状態になったばあい、システムが自動的に UWB から NFC に切り替わり、最大5時間までデジタルキーとして使えます。
この機能は、Suica、PASMO の予備電力機能付きエクスプレスカードと同様です。
さらに Digital Key 2.0 には、デジタルキーを複数で共有できる設計になっており、CarKey ではメッセージアプリでデジタルキーを家族や友人に送信する機能が含まれています。
次世代 Digital Key 3.0
次世代のクルマ用デジタルキーとなる Digital Key Release 3.0 では、UWB と Bluetooth の省エネ版である BLE(Bluetooth Low Energy)に対応。
将来的に機能拡張される UWB(Ultra Wide Band = 超広帯域無線)を使ったシステムでは、クルマとペアリングされている iPhone や Apple Watch を身に着けクルマに近づけば、自動でロック解除が可能。さらには、最大 50m 離れた場所からも検知可能な設定もできる。また、顔認証セキュア Face ID(フェイス アイディ)ではパスワード入力も必要ありませんが、セキュリティのためにパスワード認証を『ON』の選択もできます。
iPhone だけでなく Apple Watch を身につけていれば、クルマの解錠・施錠も自動でしてくれるハンズフリーの時代が、そこまで迫っています。
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リフレッシュレート 120Hz 搭載
近年発売される iPhone の予測で多く取り上げられるスペックのひとつに、高速リフレッシュレート機能があります。
現在、現行モデルとして発売されている iPhone 11 シリーズのリフレッシュレートは 60Hz。Apple 製品でリフレッシュレート 120Hz を採用しれいるのは iPad Pro 2017年以降モデルのみ。
Apple では、最大で120Hzのリフレッシュレートが得られるディスプレイを ProMotion(プロモーション)という名称で呼んでいます。この機能の特徴は、なめらかに流れるようなスクロールの操作性と素早い反応の両立と、途切れないスムーズな動画コンテンツの視聴を実現しています。
最近は iPhone で映画を観たり、高画質ゲームをプレイするのは当たり前となっており、反応速度の良いディスプレイの採用については高い関心が寄せられています。
以下の情報は、各情報メディア・アナリストなどが発信した予測・リーク情報をまとめて掲載しています。
Mark Gurman と Ross Young の予測情報
Bloomberg(ブルームバーグ)のレポーター Mark Gurman(マーク ガーマン)氏は、iPhone 12 に採用される画面パネルのスペックについて、リフレッシュレート 120Hz ディスプレイは、ハイエンドモデルだけではなく、ローエンドモデル搭載される可能性をあげています。
ディスプレイのサプライチェーンを分析している DSCC(Display Supply Chain Consultants)の CEO である Ross Young(ロス ヤング)氏は、画面パネルの種類まで言及。iPhone 12 シリーズに搭載されるディスプレイは、iPhone 11 Pro 系と同種の LTPS – OLED(低温ポリシリコン – 有機 EL)になると予測。また、120Hz に最適なのは LTPO(低温多結晶酸化物)パネルだと述べています。
Our understanding is that the production lines dedicated to Apple at Samsung Display won’t have the ability to make LTPO until next year. Meanwhile, 2 other lines for Galaxy will have it from this summer. That is one reason why it won’t be on the IPhone 12.
— Ross Young (@DSCCRoss) May 12, 2020
さらに Ross Young 氏は、Samsung Electronics(サムスン電子)の Apple 向けディスプレイ生産ラインについて、来年まで LTPO パネルを製造はしないとコメント。これは、iPhone 12 に LTPO が搭載されないことを意味しています。
It’s still not confirmed that iPhone 12 won’t have it. Don’t trust @DSCCRoss, he even falsely thought that technology is owned by Samsung! LOL!
— HorseCheng (@ihorsecheng) May 12, 2020
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iOS 14 データから推測
iOS は iPhone 専用(以前は iPad にも導入)の OS ですが、次期 iOS 14 ベータ版のデータに最大フレームレートの項目が発見されています。
この情報を Twitter に投稿したのは、Apple 関連のリーク情報で知られる Ben Geskin(ベンジャミン ジェスキン)氏。iOS ベータ版は開発者へ向けて先行公開されているデータで、同氏がディスプレイに関する記述を見て疑問を投げかけています。
iPhone 12 シリーズを発売するころ同時リリースが予測される iOS 14 のベータ版で発見された、ディスプレイ表示のリフレッシュレート設定には、ディスプレイの最大フレームレートを『60フレーム毎秒(60Hz)』に制限するというオプションが用意されています。
iPhone 11 Pro 系ディスプレイのリフレッシュレートは 60Hz であるため、この設定項目があっても意味がありません。ただ、iPhone 12 シリーズでリフレッシュレート 120Hz を採用するのであれば、省電力のため最大フレームレートを落とす項目は意味があるでしょう。
If you got to Settings – Accessibility – Motion, you can see an option to limit the maximum frame rate of the display to 60 frames per second (@JunoTecho sent me the screenshot)
But why, if iPhone 11 Pro Max display can’t go higher than that anyway? https://t.co/GmcVjcTFQ3 pic.twitter.com/Otgc8GEkjf
— Ben Geskin (@BenGeskin) June 23, 2020
この最大フレームレートについて Ben Geskin 氏は明言していませんが、次期 iPhone 12 用の設定と予想しているようです。
DSCC が 120Hz 対応パネルのリストを公開
各社ディスプレイパネルの調査・分析をしている DSCC(Display Supply Chain Consultants)が、2020年末までに発売される高速リフレッシュレート(120Hz 以上)機能を採用するスマートフォンの一覧を修正して Twitter へ投稿公開しました。
None of our contacts could corroborate iPhone 12 Pro models as 120Hz. They told us 2021. So, they are off our latest 120Hz list.. pic.twitter.com/uTQ7uinMUQ
— Ross Young (@DSCCRoss) July 1, 2020
DSCC の CEO(最高経営責任者)である Ross Young(ロス ヤング)氏は、高速リフレッシュレート 120Hz 以上を採用し、2020年末まで発売が予測されるスマートフォンリストから iPhone 12 シリーズを除外。
その理由として「iPhone 12 Pro シリーズが 120Hz 対応をしめす裏付けが得られていない」とコメント。さらに「iPhone への 120Hz 搭載次期については2021年の予測が多い」と述べています。
We asked alot of insiders and they all said no.
— Ross Young (@DSCCRoss) July 1, 2020
また、Ross Young 氏の投稿に対して質問の書き込みが寄せられる。その質問は「iPhone 12 Pro が 120Hz 機能が搭載されないのを100%確信していますか?」といった内容。Ross Young 氏の回答は「多くのインサイダーに尋ねたが、彼らは皆『No』と言っている」となっている。
ProMotion テクノロジは見送りか
XDA TV のホスト / ライターである Max Weinbach(マックス ウェインバッハ)氏によるリフレッシュレートについての予測もあがっています。
この情報をもたらしているのが、Apple 製品のリーク情報を YouTube チャンネルで配信している EverythingApplePro です。
Max Weinbach 氏によると、iPhone 12 Pro 系の画面パネルの試作品が、Apple 社内品質確認テストをクリアできていないため、リフレッシュレート 120Hz となる ProMotion(プロモーション)機能の搭載は見送りになると述べています。
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