AirPower(エア パワー)は、ワイヤレス給電の標準規格である Qi(チー)に準拠した Apple 製品向けのワイヤレス充電器。〈2019年3月25日〉の Apple スペシャルイベントで発売が濃厚な、ハイパワー高速充電器の情報を更新。
ワイヤレス給電規格 Qi を Apple のアレンジで iPhone、AirPods、Apple Watch といったモバイル機器を、充電ケーブルを接続せずに充電できる画期的な製品の発売がせまっています。
新製品 AirPower 情報
対応製品・価格
この充電器は、オーバル状の薄い充電マットの上にワイヤレス給電対応のモバイル機器を置くだけで、一度に3台までの同時充電が可能です。
AirPower 発表当時のワイヤレス給電に対応する条件は、iOS 11.2 以上のソフトウェアにアップデートしてあること。Apple 製品の対応機器は以下のとおり。
対応 Apple 製品
- スマートフォン
- iPhone 8 (Plus)、iPhone X、iPhone Xs (Max)、iPhone XR
- 時計
- Apple Watch 3 以降のモデル
- イヤホン
- AirPods
ワイヤレス充電は、充電器の給電出力によって充電に必要な時間が変動しますが、現在のところ AirPower の出力が何Wになるといった詳細は不明。
販売予想価格
中国メディア『充电头网(chongdiantou)』が業界関係者から得た情報によれば、AirPower の販売価格は約16,000円ほど。
Apple Watch が充電可能な『Apple Watch 磁気充電ドック』の価格が8,800円(税別)と考えると、3つの Apple 製品を一度に充電できる AirPower の価格は妥当な値段でしょう。
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問題発生・開発難航
2018年6月の発売をめざす AirPower に問題がいくつか発生しており、発売時期が大きくずれ込むもよう。
情報源:ブルームバーグ
アメリカの総合情報サービス Bloomberg(ブルームバーグ) のジャーナリスト、マーク・ガーマン氏が事情に詳しい関係者から得た情報によると、AirPower の発売が遅れている原因は複数存在している。それは、複雑な構造による給電時の発熱問題やソフトウェアの問題であったり、製造上の技術的な問題が解決できていません。
AirPower は他社のワイヤレス給電器と違って、Apple 製品専用の仕様で開発されています。それは、充電パッドに搭載される iOS 端末用のカスタムチップによるスムーズなペアリングや、最適化された給電コントロールシステム。さらに、最大29Wの給電出力による高速ワイヤレス充電を実現します。
これら給電器のハードウェア・ソフトウェアともに Apple の独自開発ですが、想定外の問題がつづいています。
情報源:充电头网
中国メディア 充电头网(chongdiantou)によると、AirPower には高出力・高速ワイヤレス充電を実現するため、22個の小型充電用コイルが埋め込まれています。これらを独自開発カスタムチップによって、隣接するコイルが干渉しないように制御。現在、この制御に利用するソフトウェアバグの修正作業を進行中。
Apple としては早急に市場投入したい AirPower ですが、ハードウェアとソフトウェアの両方に問題を抱えており、ただちに製品化できる状況ではないもよう。また、製造上の課題も残されている可能性があり、かなり先行きが不安です。
AirPower 情報削除
発売が待たれるワイヤレス給電器 AirPower の Apple ウェブサイトには「2018年に発売予定」の文字が表示されていましたが「発売日未定」に変更。ところが、新型スマートフォンの iPhone Xs などを発表したイベント開催から一夜明けて、情報更新された Apple 公式ウェブサイトから AirPower の情報が削除されています。
2018年内の発売を上げていた AirPower ですが、開発が難航している状況は各メディアから聞き伝わっていました。しかし、延期情報を出することなく商品専用のウェブサイトを削除するとは、プロジェクト全体の予測が容易に立てられない状況にあるのでしょう。
このプロジェクト難航について、Apple 製品のリーク情報を発信している Sonny Dickson 氏(@SonnyDickson)によると「開発に劇的な進展が必要」としており、この状況を切り開けないとプロジェクト自体が終了しかねないようです。
現在プロジェクトで深刻な障害となっている要因は4つ。これらの障害を取り除くのに開発陣は大きな苦労をしています。
- 充電パッド発熱の抑制
- アクティベーション・デバイス間通信の改善
- 充電速度と充電精度の改善
- 隣接する小型コイルの干渉回避
この中で一番の改善しなければならない障害が、充電時の発熱問題です。
AirPower は、同時に3つのデバイスの充電を可能にするため、充電マット内部には21~24個の小型コイルを搭載していますが、このコイルが充電時に干渉し合い充電器が熱くなる障害が起こります。充電マットが高温になると充電パフォーマンスが低下し、高速充電ができなくなる弊害が発生します。
前出のディクソン氏は「充電器筐体の容量を大きく再設計しないと障害の改善はむずかしい」とコメントしています。
Apple は、高機能でありながらもスマートな外観にこだわるブランドであるため、コストだけを気にした重厚長大を敬遠します。Apple 上層部が納得できる製品が開発されるまで AirPower が販売されることはないでしょう。これで、2018年内の登場は絶望的になりました。
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