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iPhone / iPad – 2眼カメラ

デュアルレンズカメラ搭載[iPhone / iPad 機能]

iPhone のメインカメラにふたつのカメラユニットを搭載した2眼(デュアルレンズ)カメラは、iPhone 7 Plus で iPhone シリーズ初搭載。それから大きい筐体を持つ Plus 系、Max 系が2眼レンズを継続的に採用しています。

Apple の製品で2眼レンズを採用しているのはスマートフォンだけですが、近年にはタブレットコンピュータ iPad にも複数のカメラユニットを搭載するモデルが追加されると予測されています。


Apple 2眼カメラ

2眼カメラとは

2眼(デュアルレンズ)カメラ[新型 iPhone / iPad 機能]
近年発売されているスマートフォンのメインカメラ(背面カメラ)は複数のレンズを採用しているのが珍しくなくなりました。

Apple 製品の2眼(デュアルレンズ)カメラは、広角レンズ・望遠レンズの2種類のレンズカメラを搭載。おもに自撮りや風景を撮影するのに『広角レンズ』、人物や物・背景をボカしたい対象を『望遠レンズ』で撮影できるようにしています。

広角レンズ:レンズ焦点 約28mm
広角レンズ焦点 約28mm[2019 新型 iPhone]
広角レンズは、記念撮影で残したい景色を上手に切り撮るのに最適な画角。自撮りでたとえるなら、人物を画面に大きく入れながらも背景の景色を画面に収めることができます。観光地の雰囲気を撮るのに活躍する万能レンズ。

望遠レンズ:レンズ焦点 約50mm
望遠レンズ焦点 約50mm[2019 新型 iPhone]
iPhone が採用する望遠レンズの焦点距離は 57mm と、望遠レンズとしては短く標準レンズにちかい。画角が狭くなるため、ポイントとなる被写体を大きく切り取って背景をボカして浮かび上がらせることができます。

ズームレンズについて
一般的なカメラではズームレンズが採用され、広角から望遠域まで幅広いシーンに対応した撮影ができます。多くのスマートフォンでズームレンズが採用されない最大の理由は、スマートフォン筐体の厚さが関係しています。近年の薄い筐体にかさばるズームレンズカメラの搭載は、画質・コストをふくめて難しいため、小さいスペースに収まるよう画角ごとに複数のレンズカメラに分けています。

おもなカメラ機能

2眼(デュアルレンズ)カメラ[iPhone / iPad 機能]
近年リリースされている iPhone の2眼(デュアルレンズ)カメラに採用されている機能と仕様。

  • デュアル12MPカメラ(広角と望遠)
  • 広角:ƒ/1.8絞り値、望遠:ƒ/2.4絞り値
  • デュアル光学式手ぶれ補正
  • 2倍の光学ズーム、最大10倍のデジタルズーム
  • 写真とLive Photosの広色域キャプチャ
  • クアッドLED True Toneフラッシュとスローシンクロ
  • 進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
  • 5つのエフェクトを備えたポートレートライティング(自然光、スタジオ照明、輪郭強調照明、ステージ照明、ステージ照明(モノ))
  • 写真のスマートHDR
高性能なAFシステム
  • 【顔検出】ポートレートモードでは、カメラセンサーから集めたデータをNeural Engineが機械学習を使って分析し、フレームの中にある顔をすばやく識別します。
  • 【フェイシャルランドマーク】顔が検出されるとすぐに、フェイシャルランドマークによって、iPhoneがクリエイティブなポートレートライティングのエフェクトを被写体に適用します。
  • 【深度マッピング】ISPの先進的な深度エンジンは、Neural Engineから集めたセグメンテーションデータを使って、被写体を背景から正確に区別します。

解像度 / 画質

画素数と解像度[新型 iPhone / iPad カメラ機能]
イメージセンサーは進化しているものの、解像度は従来モデルから新型モデルまで、広角・望遠レンズどちらも 12MP(1200万画素)。解像度が増えていない理由のひとつは、Apple が想定しているユーザーが求めているスペックから判断しています。

Apple は iPhone や iPad などに搭載するイメージセンサーのサイズを公表していませんが、焦点距離から換算すると多くのコンパクトカメラと同等サイズのイメージセンサーを選んでいます。
センサーサイズとくらべ解像度が 12MP と画素数を欲張っていないところは、室内・夜間撮影でオートで設定される高感度撮影をしてもノイズの影響を受けにくいため、画質優先で画素数を増やしていません。

画素数と解像度
画素数と解像度[新型 iPhone / iPad カメラ機能]
画素数とは、デジタル画像を構成する最小単位で、単位は px(ピクセル)。解像度とは、ピクセル数で表現される画像の大きさ。デジタル画像の『縦ピクセル』×『横ピクセル』=『画素数』となります。

たとえば、1200万画素の解像度の iPhone のメインカメラの場合〈横:4000ピクセル〉×〈縦:3000ピクセル〉=〈1200万画素〉となります。

画素数が大きくなれば、撮影対象を詳細まで撮し取ることができる解像度の高い写真になります。そのかわり写真1枚当たりの画像データが大きくなるため、たくさん撮すばあいは大容量のメモリカードが必要になります。

感度と画質
感度と画質[新型 iPhone / iPad カメラ機能]
カメラの感度とは、光に反応する感度をISO(アイエスオーまたはイソ)感度という数値で表してます。

iPhone カメラの ISO 感度は、通常オート設定にしてあり、暗い場所での撮影では、被写体の明るさに応じて撮影感度を上げることで、イメージセンサーは弱い光の信号を電気的に増幅し明るい画像にします。
ISO 感度を上げれば、室内・夜間時でも被写体を明るく映し出せますが、感度を上げていくと、写真にノイズが発生してしまい色合いの鮮やかさが失われ、被写体の輪郭がボヤけ、ザラつきが目立つなどの弱点があります。

高画質な写真を撮るためには、なるべく低く適正な感度で撮影する必要があります。iPhone の ISO 感度設定はオートしかありませんが、カメラアプリによっては ISO 感度を任意変更できる設定も用意されています。


各レンズの仕様

2眼レンズカメラを採用する iPhone 7 Plus から iPhone Xs のメインカメラは、各モデルごとに画角の差は少しありますが、広角レンズと、望遠レンズのふたつを搭載。

広角レンズ

広角レンズは扱いやすい画角であるため、一般的な風景撮影や屋内撮影でも多くの情報を一枚の写真に写せます。iPhone / iPad が採用する広角レンズは、イメージセンサーの面積・レンズ設計によって微妙に画角に違いがあります。
2眼カメラ 広角レンズ[iPhone / iPad カメラ機能]

広角レンズ:各モデル焦点距離

モデル名 焦点距離(35mmフィルム換算)
iPhone 7 Plus 3.99 mm(28mm 相当)
iPhone 8 Plus 3.99 mm(28mm 相当)
iPhone X 4 mm(28mm 相当)
iPhone Xs 4.25 mm(26mm 相当)
iPhone Xs Max 4.25 mm(26mm 相当)
iPhone Ⅺʀ 4.25 mm(26mm 相当)

望遠レンズ

iPhone の2眼カメラに採用されている望遠レンズは、焦点距離が〈35mm判換算: 57mm相当〉と少し短く、標準レンズ〈35mm判換算: 50mm〉にちかいですが、人物撮影・物撮りなどではあつかいやすい画角となっています。望遠レンズを搭載する iPhone の焦点距離はすべて同じ。
2眼カメラ 望遠レンズ[iPhone / iPad カメラ機能]

望遠レンズ:各モデル焦点距離

モデル名 焦点距離(35mmフィルム換算)
iPhone 7 Plus 6.6 mm(57mm 相当)
iPhone 8 Plus 6.6 mm(57mm 相当)
iPhone X 6.6 mm(57mm 相当)
iPhone Xs 6.6 mm(57mm 相当)
iPhone Xs Max 6.6 mm(57mm 相当)
iPhone Ⅺʀ 6.6 mm(57mm 相当)

イメージセンサーの大きさ

モデル別センサーサイズ比較[iPhone / iPad カメラ機能]
カメラレンズから入った映像を受け止め、電気信号に変換するのがイメージセンサー(映像素子)の役割で、レンズをふくめ非常に重要な部品。
イメージセンサーは解像度との兼ね合いもありますが、基本的に大きいサイズのセンサーが画質的に綺麗な写真が撮れます。

近年発売されている iPhone に搭載されるイメージセンサーは、コンパクトデジタルカメラが採用しているセンサーサイズとほぼ同様。また解像度は欲張らず1200万画素でおさえているため画質は良く、室内・夜間撮影を含めてノイズの少ない映像を提供できます。

広角レンズ:センサーサイズ

メインカメラを1つ搭載している iPhone は広角レンズを採用しています。
iPhone X 以前のモデルが採用するイメージセンサーは、面積の小さい〈1/3型〉でしたが、2018 iPhone シリーズから〈1/2.5型〉を採用してセンサーサイズを拡大。多くのコンパクトカメラと同等のイメージセンサーを搭載し、より高画質な写真が撮れるようになっています。

iPhone 5s, 6, 7, 8, X(Plus系)
1/3型(4.8×3.6 mm / 17.28 mm2
iPhone Xs, Xs Max, Xʀ
1/2.5型(5.7×4.3 mm / 24.51 mm2

望遠レンズ:センサーサイズ

iPhone の望遠レンズは、2眼(デュアルレンズ)カメラと3眼(トリプルレンズ)カメラに搭載。イメージセンサーのサイズは広角レンズ用のセンサーより小さく〈1/3.6型〉を採用。
小さいセンサーを選択している理由は、おそらく望遠用に設計されているレンズユニットとの最適化によるもの。薄い iPhone 筐体にレンズユニットが厚くなる望遠レンズを搭載するために、センサーサイズを小型化していると考えられます。解像度は広角レンズと同様の1200万画素。

iPhone7, 8 Plus, X, Xs, Xs Max
1/3.6型(4×3 mm / 12 mm2

2眼カメラのスペック

Apple が2眼(デュアルレンズ)カメラに採用しているスペックは以下のとおり。
2眼 3眼カメラモジュール[iPhone / iPad カメラ機能]
iPhone / iPad 2眼カメラ仕様

2眼カメラスペック
背面カメラ 1200万画素イメージセンサー、ƒ / 1.8:広角レンズ
1200万画素イメージセンサー、ƒ / 2.4:望遠レンズ
デュアル光学式手ぶれ補正機能
動画撮影 4K 動画記録 (24 / 30 / 60 fps)
Full HD 1080p(30 / 60 fps)
Full HD 1080p(120 / 240 fps)スローモーション映像記録対応
前面カメラ 700万画素イメージセンサー、ƒ / 2.2:広角レンズ
TrueDepthカメラ(Face ID)