Apple Glass(アップル グラス)は、AR(拡張現実)技術を応用したメガネ型ウェアラブル機器。メガネ同様に AR アイウェアを装着し、実際に見える空間・景色に、光学レンズタイプの透明ディスプレイに表示される情報と組み合わせてゲーム・映像体験や仮想対象を操作できます。
現在 AR メガネの呼び方は多数あり、AR アイウェア、AR グラス、AR ゴーグル、AR ヘッドセット、スマートグラスとも言われている。
VR と AR
Apple Glass などのウェアラブル機器を頭部に装着する機器のことは『ヘッドセット』と呼ばれています。すでにゲーム関連では VR(仮想現実)技術が広く普及しており、VR ヘッドセットが多く製品化され知っている人は多いでしょう。
VR(仮想現実)は造り出された映像を見るシステムなので、現実世界から隔離されますが、AR(拡張現実)は現実世界の上に新たなレイヤーを追加するため、現実世界から隔離されません。また、VR ヘッドセットには VR 酔いの問題もありますが、AR では低く抑えられます。
スマホ AR と AR メガネ
Apple の AR 技術は、すでに製品化されている iPhone と iPad で先行的に利用されています。同じ AR でもスマートフォンとスマートグラスとの違いは何でしょうか。
スマホやタブレットの AR は、手に持った機器の画面ごしに AR 映像を覗き込むように見えるのに対して、スマートグラスの AR は、メガネのレンズに映る AR 映像であるため、目前に CG が展開されるリアルさがあります。
AR スマートグラスの優れたところは、ハンズフリー対応アプリであれば操作に物理的コントローラーを必要としません。この利点により、多くの分野で作業補助が期待されています。たとえば、料理下ごしらえ中のクッキングガイドの参照、製造ライン整備中のマニュアルチェック、医療現場の手術・処置中に機器のリモート操作など。とくに両手が塞がりがちで他の操作が必要な専門分野でのメリットは大きい。
AR / VRヘッドセットの成長
ハードウェア・ソフトウェアおよび、サービスの各分野の調査情報を提供する、米国 IDC(International Data Corporation)のレポート『グローバル四半期拡張現実と仮想現実ヘッドセットトラッカー』によると、AR / VR ヘッドセットの世界的出荷は、前年から〈54.1%〉増加しており、2019年には〈890万〉ユニットに達する見込。
また、2019〜2023年の予測期間の年平均成長率は〈66.7%〉で継続的に力強く成長すると予測されており、世界的な出荷は、2023年には〈6860万〉ユニットに達すると報じています。
今後急激に販売数の増加が予測される AR / VR ヘッドセット。Apple は AR ヘッドセットの普及をめざし初代 Apple Glass を開発しています。好調な市場となるヘッドセット機器で Apple が多くのシェアが獲れるか注目です。
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リーク予測仕様
開発プロジェクト
米 経済情報メディア Bloomberg(ブルームバーグ)によると、Apple が独自に開発している AR アイウェア『Apple Glass(アップル グラス)』が2020年発売へ向けてプロジェクトを進行させていると報じています。
近年の Apple は AR(拡張現実)技術へ大きな投資をしており、有能な人材の確保にも積極的。ここ数年は AR 関連の開発を加速化させつつ、近い将来の市場投入を計画しています。
Apple AR 開発チームは、2015年に Apple が Dolby Laboratories(ドルビーラボラトリーズ)からスカウトした Mike Rockwell(マイク ロックウェル)氏がプロジェクトを率いています。現在 Apple AR プロジェクトのエンジニアは数百人ほどが携わっており、すでにいくつものハードウェア・ソフトウェアが進んでおりコードネームは『T288』と言われる。
AR 開発チームが取り組んだプロジェクトの1つに、iOS デベロッパが AR アプリ開発に用いる ARKit があげられますが、すでに App Store では1,000以上の AR アプリがあり凄まじい成長をとげている。
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デザイン:コンセプト
AR(拡張現実)デバイスのアイウェア Apple Glass のコンセプトを、デザイナー Martin Hajek(マーティン ハジェク)氏が制作し、そのイメージを iDropNews がWebサイトに掲載。
Apple Glass(メガネ) は AR 技術を導入する特殊なウェアラブル製品でありながらも、見た目は普通のメガネやサングラスに近い造形を求めています。
レンズフレーム
Apple Glass のレンズフレームは、おそらく高品質で軽量な金属製が採用されるでしょう。これは、Apple が AR メガネの製造を請け負うサプライヤーに金属ケーシングで製造ができる企業があるからです。
AR アイウェアのフレームは、レンズを支えるシャーシの役割だけでなくフレーム構造内に、さまざまなカメラ、センサー、ワイヤレスアンテナの部品モジュールを収納します。
また、レンズシャーシ中央の前面切り込みには、カメラだけでなく周囲の環境情報をキャッチするためのセンサーを収納。レンズフレーム側面には iPhone で使用されているのと同様なスプリットアンテナを沿わせており、くわえて Wi-Fi と Bluetooth 通信モジュールを組み込んでいます。
グラスアーム
グラスアームはメガネ部位でいうところの『テンプル(つる)』。
Apple Glass ではグラスアームには超軽量な素材がもちいられ、おそらく Titanium(チタン)などが採用される可能性があります。コンセプトでは金属素材に柔らかい革のアームカバー装着して質感を高めています。アームカバーはユーザーが交換可能で、さまざまな素材やカラーでユーザーの好みに対応。
AR アイウェアではグラスアームに部品搭載のスペースをかせげるため、振動で通知する Taptic Engine(タプティック エンジン)のほか、チップセット、センサー、バッテリーなどを内包します。
ディスプレイ
Apple Glass に採用されるレンズは、おぞらく傷がつきにくいガラス素材とコーティングが施されるでしょう。レンズカラーは標準ではクリアでしょうが、オプションでサングラスのような色合いと性能のほか、ミラーレンズも選択できるでしょう。
レンズに表示される AR 情報は、おそらくレンズフレームに組み込まれたマイクロプロジェクタによって投射されるでしょう。あるいは、Intel(インテル)が開発した網膜投影法を利用して眼球へ情報表示させる可能性もあります。この技術を採用した場合は特定のディスプレイパネルは必要せず、グラスレンズは標準的な光学レンズで対応できます。
充電方法
AR メガネは内蔵部品のスペースと軽量化の兼ね合いから、なるべく物理接触式の充電ポートを搭載したくないはず。そのため、Apple Glass では Qi(チー)規格に対応するワイヤレス充電を採用するでしょう。
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Zeiss と開発提携
AR アイウェアは製品構造に高精度な光学部品を搭載するため、Apple は光学機器メーカーであるドイツの Zeiss(ツァイス)との開発提携も伝わっています。
その他には、英国 経済誌 Financial Times(ファイナンシャル タイムズ)が Apple AR メガネの概要について報道。Apple Glass には 3D カメラ、センサー、スクリーンを搭載しており、装着者は気軽に AR 体験が楽しめると説明する。さらに一部プロトタイプではグラススクリーンを搭載せず、iPhone のディスプレイをスクリーンとして利用する方式も検討されている。
iPhone ディスプレイを利用するタイプは、iPhone をヘッドセットに装着できる『Mira Prism』のような製品。Apple は 2017 WWDC にて AR プラットフォーム ARKit を発表。ARKit は iOS デバイスでの利用も想定して設計しているため、iPhone をスクリーン代わりに仕様も可能。ヘッドセット装着型のメリットは製品価格が安くでき、構造をシンプルにできます。
Apple が独自開発している Apple Glass は、Microsoft(マイクロソフト)の HoloLens(ホロレンズ)のように高額なモデルではなく、AR システムのアクセサリー的な販売価格になると予測されています。
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rOS 開発
Apple 製品の予測情報で信頼性の高い記事を執筆している Bloomberg(ブルームバーグ)の Mark Gurman(マーク グルマン)氏によると、Apple が独自開発している AR アイウェア Apple Glass は構造内にディスプレイを搭載し、新設計のチップセットを採用。さらに AR メガネ専用の OS で作動すると報じています。
Apple は2019年までに Apple Glass 製品化のメドをつけ、2020年には販売を開始できるだろうと予測。開発スケジュールはタイトながらも積極的に継続されているもよう。
Apple Glass を制御する OS は、ヘッドセット AR 専用のオペレーティングシステムが導入されるようで、Apple Glass の OS は『rOS』と呼ばれると伝えている。rOS は iPhone / iPod touch 専用 OS となる iOS をベースに開発されておりスムーズな連携を可能にする。
rOS の開発には、以前 Apple のゲーム・グラフィック関連ソフトウェアマネージャーだった Geoff Stahl 氏が担当し、rOS ソフトウェアグループのディレクターを任されている。
Mark Gurman 氏によると、ユーザーが Apple Glass を制御するためのアプリケーションの起動方法はまだ決定しておらず、試作機ではタッチスクリーン操作や、Siri による音声アクティベーション、さらには頭の角度によるジェスチャーコントロールなどを検討してテストしている。
また、ヘッドセットを応用した機能として、テキストメッセージ、マッピング機能、VR(Virtual Reality = 仮想現実空間)会議、360度 VR 動画、3D AR ゲームといった、ビジネスからレクリエーションまで幅広いユーザーニーズに対応できるよう試作アプリケーションでテストしています。
さらに、同社製品である Mac、iPhone、Apple Watch、Apple TV と同様に App Store との連携によって、さまざまなコンテンツをダウンロードできるように検討しています。
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Apple Glass は iPhone が親機
Apple が開発しているスマートグラス Apple Glass が単体で利用可能なのか、連携する親機が必要なのか予想されるこのごろ。
TF International Securities に所属する Apple 製品のアナリストで著名な Ming-Chi Kuo(ミンチークオ)氏が投資家へ向けにレポートを公表。そのなかの Apple 製品予測で Apple Glass について述べられています。
クオ氏によると Apple Glass は iPhone のアクセサリーとして連携前提で機能するウェアラブルグラスになるとしている。これは、iPhone などのモバイル端末に通信、位置情報、演算処理などを任せて、それらの情報を Apple Glass のディスプレイに表示する。
iPhone と連携でシステム構築ができれば Apple Glass の構造がシンプルにできるため販売価格を抑えるだけでなく、AR アイウェアのサイズを小さく軽量にしたり、システムの消費電力を減らして駆動時間の延長も可能。
今までの情報から予測すると、AR アイウェア専用 OS『rOS』を導入した単独で作動するモデルと、iPhone などの親機を必要とする連携で作動するモデルの2種類の Apple Glass が開発されているようです。
新製品としての販売数のリスクやユーザーが購入しやすい値段を考えるならば、iPhone 連携モデルのほうが良いように思いますが。Apple はどちらを選ぶでしょう。
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AR 誘導で iPhone を探す
Apple は、USPTO(米国特許商標局)に AR 技術を利用した特許を申請されたあと公開。
申請された技術は、利用するモバイルデバイス上で AR マッピングを展開して特定の場所へ案内するもの。ナビゲーションで地図上にルートを表示するだけでなく、ディスプレイ画面に映し出されたライブビュー風景に矢印や案内(アノテーション)が表示され、ユーザーを目的地へ導くことができます。
地図の AR ビューじたい新しい発想ではありませんが、この技術は、より近い環境や小さい目標物へのナビゲートも可能にしており、たとえば車内や室内といった至近距離の探し物を発見するのにも有効ですし、ライブビューで画面に映し出された製品の機能説明をアノテーションとして表示も可能です。
より Apple 的な使い方であれば「iPhone を探す」機能の拡張版として、音だけで探すのではなく、矢印や案内表示によって見つけやすくできます。
この特許は Apple Glass に対応できる記述も記載されており、AR アイウェアの半透明ディスプレイに採用した使い方にも言及しています。たとえば、Apple Glass ディスプレイを通した景色にポイントアイコンやアノテーションを表示させ、仮想画像の各アイコンやアノテーションに指を触れさせて操作する状況が描写されています。
Apple は毎週多くの特許を USPTO へ提出しているため、すべての発想が製品化や機能に活かされる保証はありませんが、今回提出された AR 機能はそう遠くない未来に実現しそうな気がします。
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最新 iOS にコード記述
米 Apple 製品情報メディア MacRumors が、iPhone のオペレーティングシステム iOS 13 の開発者向けベータ版プログラムから AR メガネのアプリケーションとなるコードを発見しています。
このコードは、テストアプリ『STARTester』に記述してあり、AR メガネ向けの試作アプリと考えられる。アプリ情報には Apple Glass の使用モード切替に関するデータも含まれており、着用と保持のモード変更が可能になっている。
また、iOS 13 には、ステレオ AR 対応アプリ用の『StarBoard』ファイルも確認されています。ステレオ AR は、左右で微妙に異なる画像を AR メガネパネルに表示させて立体的な AR を表示を可能にする技術。さらに技術を拡張させれば、高度な 3Dマッピングと演算処理による MR(複合現実)を実現。
今回発見されたファイルには『Garta』というコードネームが付けられており、Apple が AR アイウェア機器を開発している確証にもなりえます。
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価格・発売日
販売価格
Apple の主要サプライヤーである台湾 Quanta(クアンタ)と、AR 部品メーカー イスラエル Lumus(ルームス)から得られたコスト情報を整理すると Apple Glass の販売価格は〈約1,000ドル〉になる可能性を示唆しています。
まずは、初代 Apple Glass の値段は1,000ドルほどと、ハイエンド iPhone よりも低価格で販売して普及をはかりたいようです。
発売日
発売時期は、以前 TFI アナリスト Ming-Chi Kuo(ミンチークオ)氏の予測では、おそくとも2020年第2四半期(4月〜6月)の発売と述べていました。
しかし、最近判明した情報では、従業員を対象とした内部プレゼンテーションによって販売時期に関する情報が挙がったもよう。
製品リリースのロードマップとしては 2022年 に Apple 初となる AR ヘッドセットを発売。さらに 2023年 までには、より高性能な AR メガネを市場投入するとしています。
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